桓温20 破岡での語らい
謝姓だが、別に
親戚と言う訳ではない。
「かれは弟の
清廉と言う訳でもなく、
というわけでもない。
しかし、ごく自然体であるからか、
この両名よりも際立って見える」
そんな謝奉、
人事部長の座を解任されて、
故郷の
一方で謝安さまがこの頃、
いよいよ出仕、というタイミング。
会稽から
この二人が中間地点、
二人は挨拶程度で別れる
心積もりでいたのだが、
しかし話してみると、
これがまた盛り上がる。
思わず二泊三日の長逗留となった。
さてこの逗留の期間中、
謝安さまとしては謝奉さんの
免職について慰めたかった。
が、謝奉、
その話題が出そうになったら
即別の話題を振り、
謝安さまにスキを与えない。
一泊、二泊。
ずっとスキを与えないのだ。
あの清談の達人に。
そして結局、その話題を
持ち出せないまま別れた。
謝安さま、そのことを
心底残念がりながらも、
同じ船に乗っている人に向けて語る。
「知ってはいたが、
やはり謝奉はすごいな」
簡文云:「謝安南清令不如其弟,學義不及孔巖,居然自勝。」
簡文は云えらく:「謝安南の清令なるは其の弟に如かず、學義は孔巖に及ばざれど、居然として自ら勝てり」と。
(品藻40)
謝安南免吏部尚書、還東。謝太傅赴桓公司馬出西。相遇破岡、既當遠別、遂停三日共語。太傅欲慰其失官。安南輒引以它端、雖信宿中塗、竟不言及此事。太傅深恨在心未盡、謂同舟曰:「謝奉故是奇士。」
謝安南は吏部尚書を免ぜられ、東に還る。謝太傅は桓公の司馬として赴かんと西に出る。破岡にて相い遇す。既にして當に遠別せんとせるも、遂にして三日停まり、共に語る。太傅は其の官を失うを慰めんと欲す。安南は輒ち它端を以て引き、中塗に信宿せると雖も、竟には此の事に言は及ばず。太傅は心に在れるを未だ盡くせざるを深く恨み、同舟せるに謂いて曰く「謝奉は故より、是れ奇なる士なり」と。
(雅量33)
謝奉
注に載るのは「
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます