桓温12 寝た子を起こす 


桓温かんおんさま、劉惔りゅうたんの家に訪問した。


が、劉惔、起き上がろうともしない。

なので桓温さま、劉惔の枕めがけて

弾弓だんきゅうを打ち付ける!


ぇえ……。


枕をはじいた後、

弾丸は床の辺りで砕け散た。

あっおもちゃだったんですね。


ビビるのは劉惔である。

慌てて起き上がり、悲鳴のように言う。


刺史しし、あ、アンタこんなとこで、

 誰と戦おうってんですか!

 アホですか!」


起きなかったお前がわりいんじゃんよ、

桓温さま逆恨みモードに突入であった。




桓大司馬詣劉尹、臥不起。桓彎彈、彈劉枕、丸迸碎床褥間。劉作色、而起曰:「使君、如馨地、寧可鬬戰求勝?」桓甚有恨容。


桓大司馬は劉尹を詣でるも臥して起きず。桓は彈を彎き、劉が枕を彈かんとす。丸の迸るに、床褥の間にて碎かる。劉は色を作し、起きて曰く「使君は馨くの如き地に、寧んぞ鬬戰し勝を求むべけんや?」と。桓にては甚だ恨める容有り。


(方正44)



「なぜ起きてこなかったのか」がわかんないんだよなあ。桓温と劉惔の関係性は、ちょっと今の段階だと上手くさらい切れないですね。

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