王導5 嵆阮を希う
容姿端麗、姿儀粛然たる
めったに人さまの家を
訪問しようとしない彼であったが、
その彼が重い腰を上げ、
訪問することになった。
とは言えその態度は
なかなかにアレである。
車から降りるに際しては
複数人に担がれて
下ろしてもらうし、
席についたら挨拶もそこそこに、
いきなり詩吟を始めたりする。
そのアレな振る舞いに、
王導さま、苦笑を禁じ得ない。
「周顗、きみは
なりたいのかね」
竹林七賢。
時の権威におもねらず、
気ままな振る舞いをしていた二人だ。
周顗は答える。
「まさか! 私が憧れるのは王導さまです。
なんでそんな昔の人間になど
憧れましょう」
周僕射雍容好儀形。詣王公、初下車、隱數人。王公含笑看之。既坐、傲然嘯詠。王公曰:「卿欲希嵇阮邪?」荅曰:「何敢近舍明公、遠希嵇阮?」
周僕射は好き儀形の容を雍す。王公を詣で、初にして下車せるに、數人に隱す。王公は笑みを含みて之を看る。既に坐せるに、傲然と嘯詠す。王公は曰く「卿は嵇阮を希わんと欲せんや?」と。荅えて曰く「何ぞ敢えて近き明公を舍て、遠き嵇阮と希わんか?」と。
(言語40)
周顗と言えば、基本王導に負けたくないと思ってるマンだからなー。あなたの前でも堂々とすることが、ぼくなりの矜持の示し方なんだよ、って感じですかのう。
虚勢張りマンのように思えてきたぞ周顗。
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