孝武1 水鏡
孝武帝
既出:簡文8、簡文25
孝武さまが孝経の勉強をする。
この講義のため、
仲間とともに孝経の読み合わせをした。
この読み合わせの時、
いろいろな疑問を抱くのだが、
あまり謝氏兄弟を質問攻めにするのも、と
憚り、隣にいる
「いろいろ質問をして、孝経に関する
重要な示唆を学びたいのです。
しかし、質問をしてしまうと、
謝氏のお二方にご面倒を
掛けてしまうのでは、
と思うと、踏み出せずにおります」
すると、袁宏は答えた。
「ご遠慮なさる必要はありませんよ」
「何故、そのように
仰れるのでしょうか?」
「鏡は世界を照らすのに
飽きるでしょうか?
清流がそよ風に波立たされるのを
憚るでしょうか?
そういうことです」
孝武將講孝經,謝公兄弟與諸人私庭講習,車武子難苦問謝,謂袁羊曰:「不問則德音有遺;多問則重勞二謝。」袁曰:「必無此嫌。」車曰:「何以知爾?」袁曰:「何嘗見明鏡疲於屢照,清流憚於惠風?」
孝武は將に孝經を講ぜんとす。謝公兄弟ら諸人と私庭にて講を習う。車武子は謝に問うに難苦し、袁羊に曰く「問わざれば、則ち德音に遺らす多く有り。問わば、則ち二謝に勞を重めさしむ」と。袁は曰く「必ずや此れを嫌う無からじ」と。車は曰く「何をか以て爾れを知らんか?」と。袁は曰く「何ぞ嘗て明鏡の屢ば照らすに疲れ、清流の惠風を憚るを見んや」と。
(言語90)
謝石
謝安さまの弟。当代のトップ風流人と言ういで立ちだが、
車胤
微賤の出。しかし「蛍の光」の語源ともなったレベルの猛勉強(蛍を集めて明りの代わりとした)を経て、当代トップレベルの文人の勉強会に参加するにまで至った。そう言う背景を踏まえると、二謝に質問しまくりたい、と言う車胤の気持ちがすっごくいじらしくて良い。ただ、その人生はあまり幸せなものでもない。謝安死後、宮中を専横する
袁宏
初登場は
魏
蜀
呉
自分は袁渙、徐邈、王経辺りの認識が薄かった。これ三国志に詳しい人が見たらどんな印象になるのかしら。
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