簡文21 殷浩さん侮られる
ある人が
「最近の偉い人たちは、君と
比べるというじゃないか。
なんでなんだろうな?」
殷浩はさらっと答える。
「物事の真理を
深く見据えるから、ではないかな」
また殷浩、簡文さまからも
聞かれたことがあった。
「君と
殷浩、しばらく考えて、
「もちろん、私ですね」
と答えるのだった。
だがある時、簡文さまは殷浩について
インタビューされ、こう答えている。
「誰かより特段優れているとは言えんな。
人の話を聞いて、答える。
そのくらいのことができるだけだ」
人問殷淵源:「當世王公、以卿比裴叔道。云何?」殷曰:「故當以識通暗處。」
人は殷淵源に問うらく「當世の王公は卿を以て裴叔道と比ぶ。何をか云わんや?」と。殷の曰く「故より當に暗處を識り通ずるを以てなり」と。
(品藻33)
撫軍問殷浩:「卿定何如裴逸民?」良久、答曰:「故當勝耳。」
撫軍は殷浩に問うらく「卿の定むるに、裴逸民とでは何如?」と。良や久しうし、答えて曰く「故より當に勝れるのみ」と。
(品藻34)
人問撫軍:「殷浩談、竟何如?」答曰:「不能勝人、差可獻酬群心。」
人は撫軍に問うらく「殷浩が談は竟には何如?」と。答えて曰く「人に勝つは能わざれど、差や群心に獻酬すべし」と。
(品藻39)
裴遐・裴頠
河東裴氏、要はド名門だ。世代としてはともに西晋の時代の人。そしてこの二人には共通点がある。清談に長けて盛名を博していたが、共に政争に敗れ、殺されている。まぁそんなわけで、どこからどう転んでも殷浩失脚後の創作。こんな質問されたら普通「俺も将来高転びするってのか!?」ってキレて回答どころじゃないですわ。
殷浩評の乱高下がヤバい。どういうキャラとして扱いたいんだ。
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