明帝10 王導と周顗1  

明帝は周顗しゅうぎに聞く。

明帝さま周顗のこと好きすぎじゃね?


劉惔りゅうたんのことをどう思う?」


「クッソ重い、去勢した牡牛ですね」


鈍重な大飯喰らい、という事か。

ひどいひどい。


あまりのひどさに、思わず王導おうどう、噴き出す。

それを見て、周顗は言う。


「まぁ、角を巻いた牝牛の、

 外見ばっかりがきらびやかなのには

 負けますよね」


うわべばっかりきらびやかな

王導さま、むぐっとなった。



さて別の日。

王導さま、周顗に膝枕してもらってた。


!?


王導さま、周顗の腹をつつく。


!!?


「この中には、何が入っているのかな」


周顗さん、答える。


「何もないよ。空っぽだ。

 だが、きみ程度なら

 数百人は入るだろうな」




明帝問周伯仁:「真長何如人?」答曰:「故是千斤犗特。」王公笑其言。伯仁曰:「不如捲角牸有盤辟之好。」

明帝は周伯仁に問うらく「真長は何如なる人か」と。答えて曰く「故より是れ千斤の犗特なり」と。王公は其の言を笑う。伯仁は曰く「角を捲きたる牸の、盤辟の好有れるに如かず」と。

(排調17)


王丞相枕周伯仁厀、指其腹曰:「卿此中何所有?」答曰:「此中空洞無物、然容卿輩數百人。」

王丞相は周伯仁の厀に枕し、其の腹を指して曰く「卿が此の中には何ぞを有せる所なるか?」と。答えて曰く「此の中は空洞にして物無し、然れど卿らが輩の數百人を容す」と。

(排調18)




まぁそんなこと言っときながら、周顗は後日、王導さまに敗北宣言するんですけどね?

つーかラブラブすぎねえかお前ら。思わず余計な話まで拾っちゃったじゃんよ。

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