明帝6  明帝問えらく2 

明帝は謝鯤しゃこんに問う。


「君と庾亮ゆりょうとでは、どう違うかな?」


謝鯤が答える。


「官僚たちをビシバシ締め上げるのは

 庾亮の方が上です。

 山野を散策するのを楽しむ心は、

 私の方が上です」



また明帝、周顗しゅうぎにも聞いている。


「君と庾亮では、どう違うだろうか」


周顗が答える。


「自由気ままで伸びやかであること、

 この極致で亮は臣に届きません。

 宰相の器であれば、臣は亮に届きません」



うーんこの有能堅物評。




明帝問謝鯤:「君自謂何如庾亮?」答曰:「端委廟堂使百僚準、則臣不如亮。一丘一壑、自謂過之。」

明帝は謝鯤に問うらく「君は自らを謂うに庾亮とでは何如」と。答えて曰く「端より廟堂を委ね百僚を準せしむるに、則ち臣は亮に如かず。一なる丘、一なる壑を自ら謂ゆるは之に過ぐ」と。

(品藻17)


明帝問周伯仁:「卿自謂何如庾元規?」對曰:「蕭條方外、亮不如臣。從容廊廟、臣不如亮。」

明帝は周伯仁に問うらく「卿は自らを謂うに庾元規とでは何如?」と。對えて曰く「方外に蕭條たるに、亮は臣に如かず。廊廟に從容なるに、臣は亮に如かず」と。

(品藻22)




謝鯤

陳郡謝氏の繁栄の実質的な始祖みたいな感じの人。けど繁栄したのは弟の謝裒しゃぼうの系統だってゆう。王敦おうとん系の人材ではあったがあんまり深くは関わり過ぎず、豫章よしょうで善政を布いた。

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