張華1  真似っこ王朗さん

張華ちょうか 全6編+1



三国魏の時代のお話である。


王朗おうろうと言うひとが、華歆かきんの知識、

振る舞いなどに大いに感銘を受けており、

こと有るごとに華歆を称揚していた。


ところで華歆は年末に催される祭の時、

親族らを集め、飲み物を振る舞っていた。

そして華歆ラヴな王朗、この振る舞いを

「華歆がやっているのだから」と真似る。


さて、時が下って、晋の時代のころ。


ある人が張華に、この話を伝えた。

すると張華は言う。


「うわべばかり真似していて、

 行いの意味にまで

 踏み込もうとしていない。


 そのようであるから、

 王朗は華歆より遠ざけられたのだ」




王朗每以識度推華歆。歆蜡日,嘗集子姪燕飲,王亦學之。有人向張華說此事,張曰:「王之學華,皆是形骸之外,去之所以更遠。」


王朗は每に識度を以て華歆を推す。歆は蜡の日に嘗て子姪を集め燕飲せば、王も亦た之に學ぶ。人の張華に向かいて此の事を說けること有れるに、張は曰く:「王の華に學びたるは、皆な是れ形骸の外なれば、之の去れる所は以て更に遠し」と。


(德行12)




張華

晋の元勲の一人。つーか圧倒的文武両道の化物。賈南風かなんふう大っ嫌いマンだったけど、やがてには賈南風の右腕として大いに活躍する。そして賈南風と共に、司馬倫しばりんによって殺された。つーか張華の伝読んでても賈南風の悪女ぶりがテンプレすぎて、おぉ、もう……と言う感じになってくる。いや事実なら事実でいいんですけど……。


王朗

めっちゃ能吏だし、鍾繇しょうよう華歆と共に三公にまで至ってて、なんでこうまで sage を食らっているのかがいまいち見えない。司馬昭の奥さん王元姫おうげんきのじいじなんだし、もっと age られててもいいと思うんだけどな。謎だ。

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