武帝16 李家の女丈夫
ひとりめは
ただ、李豊が
企てたことから処刑されると、
離婚の上、辺境に移された。
その後特赦が出て賈充の元に
戻ってきたわけだが、
賈充は既に、ふたりめの妻として、
今回のケースに関し、
武帝さま、特例を出す。
賈充に二人の正妻を置いていいよ、
と許可したのだ。
ただ、李氏は賈充の家に
戻ろうとはしなかった。
別宅に引き籠る。
郭槐は賈充に語る。
「李氏を見舞いたく思うのですが」
あーマウンティングね。
したいよね。わかるよ。
その辺りを見抜いたか、賈充は言う。
「おすすめはせんぞ。
あれは男だとしたら英傑と呼ばれる類だ。
お前が行けば打ちのめされるぞ」
何あのクソ夫!
いいわよ、見てらっしゃい。
郭槐、全力で着飾り、
多くの侍従を連れて、李氏の元に出向いた。
が、別宅から李氏が姿を表せば、どうだ。
知らず膝を屈し、
拝跪する格好になってしまった。
慌てて夫の元に戻る郭槐。
「な、何なんですかあの女丈夫!」
それを聞いて賈充、つれなく返す。
「先ほどお前には、何と言ったかな?」
賈充前婦、是李豐女。豐被誅、離婚徙邊。後遇赦得還、充先已取郭配女。武帝特聽置左右夫人。李氏別住外、不肯還充舍。郭氏語充:「欲就省李。」充曰:「彼剛介有才氣、卿往不如不去。」郭氏於是盛威儀、多將侍婢。既至、入戶、李氏起迎、郭不覺腳自屈、因跪再拜。既反、語充、充曰:「語卿道何物?」
賈充が前の婦は、是れ李豐が女なり。豐の誅を被るに、離婚し邊に徙さる。後に赦を遇し還ずるを得るも、充は先に已に郭配が女を取る。武帝は特に聽し左右に夫人を置かしむ。李氏は別に住外し、充が舍に還るを肯んぜず。郭氏は充に語るらく「李に就省せんことを欲す」と。充は曰く:「彼の剛介なるは才氣有り、卿は往きても去らざるに如かず」と。郭氏は是に於いて威儀を盛んとし、多くの侍婢を將いる。既にして至らば、戶より入り、李氏は起ちて迎え、郭は覺えずして腳を自ら屈し、因りて跪し再び拜す。既にして反り、充に語らば、充は曰く:「卿に語るに何物かを道いたりしか?」と。
(賢媛13)
李豊
郭配
魏の名将、
まぁ何てんだろね、賈南風はこの時代で司馬炎並みにこき下ろさねばならない人物の一人だし、けど賈充はあんまりこき下ろし切れないし、そうなったらブック的には郭槐を雑魚に仕立てるしかないよね。
つーか武帝さま脇役にもほどがあるな。
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