武帝13 武帝の失策は
人々はよく論じ合っていた。
赴任という形で中央から遠ざけたのと、
嫡子
どちらの過失が大きいであろうか、と。
多くの人は
「やっぱ司馬衷のことだろ」
と言う。
そこに横槍を入れるのは
「まぁ待て、子に父の業を継がせ、
弟に家の祭祀を行わせるのだ。
どこに不都合があるというのだ?」
時人共論晉武帝出齊王之與立惠帝、其失孰多?多謂立惠帝為重。桓溫曰:「不然、使子繼父業、弟承家祀、有何不可?」
時の人は晉武帝の齊王を出せることと惠帝を立てたることの、其の失の孰れが多なるかを共に論ず。多くは惠帝を立つるを重きと為す。桓溫は曰く:「然らず、子をして父が業を繼がしめ、弟に家の祀るるを承かしむに、何の不可有らんか?」と。
(品藻32)
このエピソードについては、注がむしろ面白い。「いや武帝のこの政策が乱を引き起こしてるなんて奴隷でも知ってることだぞ。あの桓温さまがそんなこと言うわけねーだろ」ってマジレスしててウケる。
いや「桓温はそんなこと言わない」についても、当時の人間なら、同じく誰でもご存じだわ。にもかかわらず「後継者を優秀な弟たちでなく、息子の
後継者指名によって未曽有の大混乱を引き起こした武帝と桓温。その対比で語られるべき小説エピソードに、歴史警察的振る舞いをする注者。そう言うメタ的な面白さを提供してくんのやめろ。
いやもっとやれ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます