曹丕4  禅譲の日    

漢帝劉協りゅうきょうから皇帝の位を引き継ぎ、

来ました! 魏の時代!

ヒャッホー!


……って言いたいのに、

陳羣ちんぐんの奴がしけってる。


「っんだよ陳羣、喜べよ」


曹丕そうひさまマジKY。

まぁしゃあないけど。


陳羣は答える。


「私と華歆かきんは、ずっと漢臣として

 働いてまいりました。

 曹丕様の登極は喜ばしいです。

 けれども、仕えていた王朝が

 滅ぶのを見届けるさみしさは、

 どうしても隠せそうにありません」




魏文帝受禪,陳群有慼容。帝問曰:「朕應天受命,卿何以不樂?」群曰:「臣與華歆,服膺先朝,今雖欣聖化,猶義形於色。」


魏の文帝の受禪せるに、陳群に慼える容有り。帝は問うて曰く:「朕の天に應じて命を受くるに、卿は何をか以て樂しまざるか?」と。群は曰く:「臣と華歆は先朝に膺服せば、今の聖化を欣ぶと雖も、猶お義は色に形せん」と。


(方正3)



陳羣、華歆

陳羣は既に潁川陳氏の五陳末席として名前が挙がりましたが、まぁ登場はここくらい。淋しい。華歆はあとでもうちょっとエピソードを紹介します。ちなみにこのエピソードと似たようなことを、晋宋革命でも徐広じょこうと言うひとが決めています。まぁ、何て言うんでしょう。ものすごく「儒家っぽい」振る舞いです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る