第5話 3ページ目

もし、貴志と殺人鬼の僕が鉢合わせたら、

僕は僕のフリをするんだろうか。

それか、このノートに貴志のページが増えるんだろうか…。


僕は引き出しからノートを取り出した。


今のところ、確実な証拠はこのノートだけ。

このノートは何度も捨てようと思ったけど、

偶然、誰かにゴミを見られたらとか、

そういう些細なリスクが怖くてできずにいた。


その時、

部屋のドアをノックする音が部屋に響いた。

「兄ちゃん?」

貴志の声がドア越しに聞こえて、

雨が一層、強くなった。

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