第4話 5ページ目

僕は一階にあるリビングへ向かうと、

そこはコーヒーとトーストの匂いで満ちていた。


僕のいるべき平凡な日常の匂い。


「おはよう」

僕が声をかけると、

母さんと弟の貴志が「おはよう」と返事をした。


今日は土曜日だが、父は仕事に行っているようだった。


貴志の横の席につくと、

母さんが目の前にトーストを置いてくれた。

「コーヒー、翼(つばさ)もブラックにする?」

ふと、横を見ると、甘党の貴志がブラックコーヒーをひどく苦そうに飲んでいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る