出来るだけ穏便にカノジョと別れる方法

@Komuteli

第1話

掃除機のうるさい音で目が覚めた。

「おいっ起きろっこのバカッ」と、掃除機をぶつけてくるのは付き合って半年の彼女、「羅菜」だ。「ったく。月曜日の朝からゴロゴロしてるなんてアンタと野良猫くらいよ。」相変わらず口が悪いヤツだ。

「学校は?」「自主休講。もう行くのめんどくさい」

はぁ、と大きなため息をつくと「アンタそんなんだと来年単位足りなくて詰むわよ?せっかくご両親に『優』なんて名前つけてもらったのに、がっかりさせちゃうわよ?」と、キレ気味の羅菜。「じゃ、ちょっと出かけてくるから、学校行かないなら部屋の掃除しといてよね!」と言うと忙しそうに出てってしまった。—元はと言えば俺の部屋だろ。なんて言えば怒られるのは分かっているので黙って片付けを始める。—ゴミ、ゴミ、これもゴミ、これは羅菜に聞いてからにしよう、

とさくさくと片付けていく。大体終わったかな、と言う頃にふとメモ帳に気がついた。

ハガキ半分くらいのサイズ。表紙がなく、すぐに書き込めるタイプだ。—俺のじゃ無い。じゃあ羅菜のか、羅菜にLINEを写真付きで送る。

「これ、いる?」

すぐに既読がついた。

「なんか書いてある?」

「ない」

「じゃあ絶対触るな捨てるな目を向けるな」

「え?あぁ」

不思議だ。メモ帳がそんなに触ってほしくないものなのか?

ペラペラとめくるが何も書いていない。

—チャラララララン

電話だ。羅菜曰く「悪趣味」と言う着信音だ。

「もしもし」

『よお。俺だよ』

「健介、どうした」

『暇だし飯食わん?』

「うち来いよ」

『羅菜ちゃんは?』

「お出かけ」

『すぐ行く』

すぐ来た。10分くらいだった。

『カァー、羨ましい男やなぁ、あんな可愛い子と同棲してるなんて」

「乱暴なヤツだよ」健介が買ってきたコンビニ飯をつつきながら答える。

「今日だって掃除を押し付けらr

と、言う所でメモ帳を思い出した。

「そういえばこのメモ帳何に見える?」

『メモ帳だな』

深く同意だ。触ってほしくない理由が分からない。『羅菜ちゃんのか?』頷いた。

『なんて書いていたか見てやろうぜ』

「何も書いてないけど」

『ハッ、そんなん1番上の紙を鉛筆でこすれば一発で浮き上がるで』

なるほど。こんな時だけ賢い男だ。昔からそうだった。

バックの中から鉛筆を探すと、寝かせるようにして表面をこすった。

『出たか?』

確かに浮き上がって来た、が、にわかには信じられない言葉だった。


彼氏 を 殺す 手口


ロー プ


ナイ フ


殺し屋



『終わったな優。』

いやいやいやいや、あのたまに俺の好きなスウィーツを買って来てくれる羅菜が?

たまにデレるのがとても可愛い羅菜が?

死ぬまで面倒見てよね?と、言ったあの羅菜が?俺を殺す?

「嘘だろ、、何かの間違いだよな?」

『そのメモ帳なんか言ったか?」

「触るな捨てるな見るなって」

『フラグビンビンやな。お前死ぬで』

俺のせいなのか?俺が冷たくしたから?

まさか別の男が?色んな考えが渦巻く。

「どうしよう?」

『逃れる方法あるで』

「言え」

『別れる』

「嫌だぁぁ」

『でも死ぬで。親孝行まだやろ?』


息を大きく吸った。よし、

「別れよう」


玄関から「ただいまぁー」と声がした。


「『ヤバイ!』」

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