朝から晩まで毎日耳鳴り

 20代の、とある日。


 ――ピイイイイ、という、右の耳鳴りが止まらなくなった。


 子供の頃から、右だけはよく鳴っていたので、継続時間1~2時間程度ならば、良くも悪くも慣れている。

 しかし、毎日毎日、朝から晩まで、となると話は別だ。


 耳鼻科に行ったり、脳神経外科で頭部MRI(magnetic resonance imaging、核磁気かくじき共鳴きょうめい画像法がぞうほう)を撮ったり、いろいろ検査した結果。

(正確な文言は忘れたため、下記は超意訳……)


・脳に危険な病気の兆候はないので、そこは心配不要。

・耳鳴りの原因は不明。

・一生耳鳴りと付き合うことを考えたほうがいい。


 と言われた。

 耳周辺の血行を良くする薬、を処方してもらったものの、効いた気は全くせず。

 「鳴っていても気にしない」以外の対処法がほぼなかったが、「気にするな」と言われても、気になるものは気になるのである。

 で。

 二年目くらいから、「ネタとして笑い飛ばす」という手に出た。


「平家の怨霊おんりょう召喚しょうかんして、耳を持っていってもらおうと思ったんだけど。

 よく考えたら、頭の外に出た部分しか持っていかないから、耳鳴り全然解決しないよ!」


 ……的なことが、昔の日記を見ると書いてある。耳なし芳一。


   ◇


 知人に、「耳鳴りって気圧関係あるの?」と質問されたことがある。

 既に五年目に入っていたが、当時たまたま「今日はうるさい・うるさくない」を手帳につけており、一か月連続で記録を持っていた。「全くうるさくない日は、月にどれくらいあるか」を調べる目的だったので、一日のうちに短時間でもうるさかったら「うるさい」にしていたが。

 そこで、気象庁のホームページで過去の気象データを検索。居住地から一番近い観測点、一か月分の日ごと(日平均)の気圧を調べる。


 ……私の「耳鳴りがうるさい・うるさくない」と気圧の高低は、あまり関係ないんじゃないかなぁ?

(注:あくまで「私の場合」)

 耳鳴りデータの取り方がザルだし、一日のうちの気圧変化は無視しているので、100%信用もできないけれど。



 現在、「耳鳴り」「気圧」で検索すると、低気圧が近づくと耳鳴りや偏頭痛へんずつうがして体調不良になる「気象病きしょうびょう」「天気痛てんきつう」などのページがヒットするので、耳鳴りと気圧が関係ある人は、一定数いると思われる。

 それらの記事を読んでいると、大体出てくるのが、「乗り物酔いをしやすい人」という言葉。内耳ないじが「揺れ」、気圧の変化に敏感な人。

 ……そういや私、昔から、バスでも電車でも、ほぼ酔ったことないな。船は瀬戸内海(大阪~松山)くらいしか乗ったことがないから、外洋に出た際に船酔いするかどうかはわからないけれど。

 天気が変わっても気づかないことが多いし、私個人の体質は、気圧の影響を受けにくいほうなんじゃないかな、と思う。

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