第45話 田中贋造 宇宙一の賞金首になる
マークが、武器と科学コンソールに戻って、状況を確認しだした。
「スバルは、金星に向かっているのか?」
「違う太陽だ。太陽の裏側に入ってしまうと全くサーチできなくなるだろ。スバルは、有名になりすぎたよ」
「悪い意味でな。MG2やっぱり全部解体しようぜ」
「それかいな」
アランは、ミーシャに断った。
「ミーシャさんすいません。ユーナスさんのことはもう少し待ってください」
「ここまで来たのです。それに、わたしは、皇女ではなくなりました。もう少しの遠回りもいいかもしれません」
「ありがとうございます」
アランは、航路を読んだ。
「マーク、このまま行くと地球の近くを通るぞ」
「ケエル総督との約束もあるし、オレらは、地球に行くよ」
「土のエンブレムと活性石の探査か、いいかもな」
「さっきの戦闘を検証しないか、MG2」
「白い光の内破やろ」
「わるい、地球近くなったら教えてくれ、しばらく反省会なんだ」
「いいよ。なんだか姉貴が、話したがってんだ。ニナ、操縦任せていいかな」
「問題ありません」
マーク達は、アクエリアスに向かった。
アランは、姉の話しを聞く時間が出来た。
「なんだい姉貴」
今ね、ケエル総督と、ミホでリンクしているの。ミーシャと話がしたいみたいなのよ。頼める
「もう、知ってるのかい」
私が話したの、ミーシャを孤立させたくないのよ
「分かった」
アランは、ミーシャに振り返りケエル総督と、今、話せると話した。
マークは、アクエリアスにあるモニターで、コルベット改造宇宙艇が、内破する映像を何度も見た。やはり、白い光は、撃破の決定打のようだ。
「これは、エンジンのプラズマ加速装置が破裂したときの光だろ。誘爆の原因は分かるか」
「構造がなー そやけど最初の加速器に違いないからきっかけは、水素爆発やろな。ヘリュウム3やないやろ」
「元エネルギーだな。全破するのにいい感じで時間、有ったよな」
「ほんまやねって、やっぱりあれか」
「集積レーザー砲だけだと苦労しすぎだろ。今日みたいな敵は、アクエリアスセーバー使いたかったよ」
「ハハハ・・・」
アクエリアスの船首には光の剣のレプリカがはまるようになっていて、光鱗水と核融合で暴走させ大きな光刃を発生させることが出来る。アクエリアスは、その状態で、艦ごと突っ込む戦法を持っている。その光刃の真下にMG2は、入っている。MG2の頭は、遺跡物質で出来ていてとても硬い。しかしMG2は、頭から戦艦に突っ込むのは、どうも気が引ける。
「光剣のレプリカ見つけんと無理やで」
光の剣のレプリカは、一本しか存在しない。アクエリアスコロニーを消滅させたレプリカだ。今は、オリジナルの光の剣と共に、宇宙空間をさまよっていて見つけるのは困難。
「でも、良くないか、難しいこと考えないで敵艦の真ん中当たり貫いたらいいんだろ。走り回る主砲だよ」
「そやねハハハハハ・・・・ハァ」
ガンゾのAI、MG2がため息をついていた頃、当の本人もため息をついていた。
まだ、ガンゾ達を乗せた宇宙艇M78は、ケレス連邦宇域を航行していた。通信席にいたナオミが、その手配書を受信した。
[田中頑三40歳 情報提供者に1千万ガイ、捕まえたものに1億ガイの賞金を供す]
ナオミは慌ててオープンモニターに手配書のコピーを大写しした。
「ハァ? なんやこの額は」
「この賞金額って世界一じゃない」
モリス議員も話に加わる。
「ケレス連邦の第3皇女誘拐犯ですもの、これぐらい付いて当然よ」
「カガヤさんそれ、誉めてるつもりか」
「そうよ」
「ガンゾは、いい人ね」
ナオミは、ニコニコしながら腕組みした。
「だからそれって、誉めてるつもりか」
「決まってるじゃない」
「はぁ・・・」
ガンゾがため息をついた。ガンゾが世界一になった瞬間である。M78宇宙艇は、月を目指して航行した。
ナオミは、こんなに離れても感じることが出来るマークをそっと抱いた。
宇宙の宝石 星村直樹 @tomsa
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