第3話

暗い場所にいた

辺りを見渡した


こっちにおいで

はやくおいで


声が聞こえるのに …

そうだ 言の葉で確かめよう

私は思いついた言葉を並べては食べ 吐き出した

やがてそれは尽きてしまった

空は黒 大地は霧で覆われている

明日は あそこに立とう

きっと見える


小さな声が聞こえる…

私はそこへ 走り出した

明るく光る それが 応えてくれる

(あなたはわたしのもの)

また 聞こえた

(あなたがわたしのもの)

それを聞き 涙が あふれる

風が吹き からだが ふわりと浮いた

遠くに人が見える

(この人をみよ)

少女の瞳からつぎつぎに言葉がこぼれ落ちている

私は近づいて 拾い集めた

(それはそのままにしておけ)

私は拾い続ける

(それはそのままに…)

「黙れ」

私は心を吐き出した

少女の瞳が枯れている


私は少女の瞳が枯れているのを見て悲しい気持ちになった

分かり合えない…


夢から覚めた私には楔が打ち込まれていた。

「誰がこんな事を…」

魔女のわたしにこんな事が出来るのは魔女だけだ。

しかし、私はこの世界で他の魔女に出会っていない。

意識を探って見たが…いない。

「いるのは、私だけだ…」

左腕に打ち込まれた紋章がまだ微かに輝いている。

知らない言の葉で描かれていた。

ただ、これが人への失望を表していると感じ取ることが出来た。

「これを残した魔女は苦しんだのね」

「いつか癒してあげられたらいいのに…」


私は人と魔女を繋ぐ架け橋

いつか きっと わかりあえる

そう信じている

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コンストラクタ しろだん @sakuwa

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