第2話
この世界は まだ 魔女を知らない
かつて 人と魔女の戦いがあった事を知らないのだ
私は私を認識した時 もう この世界に立っていた
血と感情が 肉と感覚が すぐに私を魔女だと自覚させる
空に昇り世界をみわたした
人々は優しい表情で互いをいたわり
尊重の念を抱きあう優しい世界だった
「ああっ 慈愛に満ちている」
胸があたたかい
心地良さにとらわれる
しばらく至福の時をあじわった
この世界にも幾人もの魔女がいる事に気がついた
自覚が…ない?…
いや…
何人かは魔女の力が溢れている
「会いにいってみようか」
(まだ… だめ…)
声が聞こえたような気がして留まった
いづれ皆私に気づくだろう
それまでは…
「そうだ 彼女たちが気軽に集える場所を創ろう」
笑顔が溢れるその日には…
「きっと皆喜んでくれるわ」
想いが満ちるその時には…
「幸せになるの」
そう この世界は まだ魔女をしらない
人々が魔女を知った時に起こる心の変化が
私にはわからなかった
かつて
人と魔女の戦いがあった事さえも…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます