第3話
「ねえカバ。お願いがあるんだけど……」
サーバルは最初にカバのところへ話をしに来た。カバはお節介だが優しくて、頼れるフレンズだ。サーバルがかばんと一緒に旅を始めて、最初に出会ったのもカバだった。サーバルはカバに事情を話した。
「それはいいわね。でも、そんなこと本当にできるの?」
「大丈夫だよ!みんなの力を合わせればきっとできるよ!」
カバはクスッと笑い、そうね、と、言った。そして、サーバルの提案に快く協力してくれた。サーバルはカバのいる水辺を後にして、じゃんぐるちほーに向かうことにした。さらに多くのフレンズに協力してもらうために。
フォッサや、インドゾウや、ほかのたくさんのフレンズたちも協力してくれた。カワウソとジャガーも、二つ返事で了承してくれた。
「楽しみだね!」
「たのしみだね!」
「力になれるなら何でもするよ」
「ありがとう、みんな!」
サーバルはさらにフレンズを集めるために、かばんと歩いた道をもう一度歩いて行くことにした。ジャガーに乗せてもらい、まずはこうざんにあるアルパカのカフェだ。
「この崖を登ったんだっけ。大変だったなあ。でも、かばんちゃんのおかげで……」
ロープウェイを見上げ、かばんの功績を思い返す。かばんのおかげで変わったことはたくさんあって、それがそこかしこに散りばめられているのだ。
「ねえアルパカ。かばんちゃんのために、力を貸してほしいんだけど……」
「なになにー?できることならいいよお」
「私も力になれるかしら」
バサバサと羽音を立ててトキがやってきた。歌声は何とも継承し難い強烈なものだが、フレンズ想いであり、なにより空も飛べる。トキも協力してくれるなら百人力だ。
「いいわよ。ふぁんのためだもの」
サーバルはロープウェイで山を下り、そこからさばくちほーを目指した。途中、バスに乗れれば楽だとは考えたが、それもかばんがいなければ動かせない。
「あ、スナネコ!」
砂漠の中に佇む岩の陰にスナネコの尻尾が見えた。あたりには変わったことは特になく、本当に偶然らしい。スナネコは好奇心が旺盛で、気になるものを見つけると夢中になって、周りが見えなくなるところがある。噂に聞いたが、なにやら隠し持った特技があるんだとか。
「いいよー面白そうだし」
「ありがとう、スナネコ。それにツチノコも」
岩陰から尻尾をのぞかせているツチノコに声をかけ、笑いかけた。ツチノコはいつもどこかに隠れてはいるけれど、博士や助手と同じくらい博識で、ようがんのこともよく知っていた。
「ま、助けてやらんこともない」
かばんちゃんと楽しいことをする会 さにた @sunanekochanbot
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