第12集 エライ
「エライ」
よいしょ、って座ったソファが思ってたよりも深くて天をあおいだ
眼球のない目でこっちをにらんでるマネキンのコートもう秋だねえ
何時間寝たか計算しているがよくわからない二時間がある
玉ねぎが十キロ入っている箱を持ち上げるときこころはひとつ
悪臭はするけど誰がすかしたかわからぬ電車の客、客!客。客?
コインだと思えばあまり痛くないすごく激しい雨のつぶつぶ
クイズ出しブーとかピンポン言っている中学生の男の背中
オレなんて寝っころがっていたいのにキャッチボールをしていてエライ
看護師のピンクの肩を見てすぎて午後の散歩の六割おわり
さびれてはいるけれど森襖店の中の親父の黒ぶちメガネ
ちょっと短歌読んでいきませんか 工藤吉生(くどうよしお) @mk7911
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます