吟遊詩人

心を引き裂いて見せるから

言葉は悲哀に染まるのだ

偽りのない自分を分け与える為に

切り刻み血を流し続けている

それを愚かしいと嘲笑わらわれるなら

そうなのだろうと頷く他ない


私が私である為に

私という概念を構築する為に

私を取り囲む世界を認識する為に

あなたを愛する為に


均衡を喪ったまま傾いていく

夕陽のような朱色いろを受け

謳い続ける私の視界は

どこまでも深く闇を映して

砕けて消える言葉の欠片が

星擬きに一瞬の火花を散らす


それは、美しく見えるだろうか


祈りに似た絶望を

願いのような切愛を

昇華し浄化し瞬かせて消える

刹那に宿る真意の行方を

あなたは看取ってくれるだろうか

私の命を賭けたなら





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