拙い感想となりますが、御容赦下さい。
このお話を読み始めてから読み終えるまでに少し時間が掛かってしまったのは、かつての私の中に伽奈や仄が居たからです。それが少し恐ろしくて、この先がどうなるのか見届けるのに時間が掛かってしまいました。
伽奈には仄が、仄には伽奈が現れたけれど、現実にはこんなに上手くいかないかもしれない。現実はとても残酷で、伽奈や仄やかつての私、かつてのあなた、今の私、今のあなたにとっても容赦無いものだと思います。でも、それでも、救いや慰めや癒し、何気無いけれど得難い幸せや日常が伽奈達に訪れた事に心の底から良かった(だけでは無いのですが…)と感じました。それは、あの時の私が何よりも欲していたもので、今の私が漸く掴み掛けているものだからです。お父さんとの最後の会話のシーン、少し泣けてしまいました。
淡々とさえ感じる様な日常の中、何処にでも居る少女達がとてもリアルに存在していました。手段は人それぞれ違えど、きっと殆どの人の中に伽奈は居るのだと思います。
作者様、お疲れ様でした。