第六話 真相
一方、リーナはというとリール地方の最北にあるアランという廃村に囚われていた
しかしながら一体、どうしてマサキの前をずっと歩いていたのにマサキに気づかれず囚われの身になってしまったのか
それはマサキがリーナに言われひれ伏した時に一瞬にして入れ替わったのだった
このような人間離れしたようなことができるもなんてあの集団しかない。
ドルナーグ王帝国、最古で最恐の闇ギルド「G」だろうリーナはそう確信していた
今この状況からどうにか脱出できないもかとしているのだが、今嵌められている手枷によって魔法はおろか魔力の制御までできないのだ。
今リーナはこのアランの廃屋のなかに椅子がひとつ置かれその上に両手両足には枷がつけられておりまさに手も足もでな状況だった。廃屋の外にはご丁寧に4人もの気配を感じていた。
リーナは此処を1秒でも早くの抜け出したかったマサキが心配だったからだ。
自分はなんにもマサキにお礼もしていないのに、マサキの命が狙われていると分かっているのに、自分はまた何もできずにいることがとても我慢できなかった。
しかも、マサキは自分を守る術を持っていなさそうだったので尚更焦っていた。
不意に目の前の扉が開きそこから30ぐらいの体つきのいい男と見張りだったであろう二人の男が入ってきた。
体つきにいい男がリーナを値踏みするような目でジロリと見られた
「ほう、これが王女様かハッハッハ、いい女じゃねか依頼じゃなかったら
その顔を快楽に沈めてやるのによ」
「なんて汚い目をしているのでしょうか、そんなにジロジロ見られると気が狂いそうになります」
「言ってくれるじゃねか、あぁ?」
さすがは王帝国おも敵に回す闇ギルドの一員だろう。立ったこの一睨みでこいつには勝てないと思ませるような殺気を出してきた自分がまだ正気を保てていられるのはまだ本気を出していないからだろう
しかしここで引き下がるわけにはいかないなので色々と画策しているがまったくもって何もできなかった。でもリーナは諦めた訳じゃなかった
「あなた方は一体なにが目的なんですか?私の正体もご存じでしょうし」
「目的といわれてもなぁ そんなもん依頼者の旦那に直接聞いてくれや」
「ではその依頼者って誰なんです?」
「おっと、そこから先は言えたものじゃねな」
この男、只の筋肉お馬鹿さんではないのですね・・しかしここで引き下がってはいけません一刻も早くここを脱出しないと
リーナは今までにない程に自分の頭を高速回転させ、考え続けた
一方、男は急に静かになったリーナを訝しく思うがそこまで気にかけなかった
リーナはまずこの状況を整理する。
マサキを最後に見たのは自分が一言、言いマサキがなぜかひれ伏したこの本の数舜でこいつらに誘拐された、連れ去られている最中は視覚をン何かで阻害されていたためここまでの道のりは一切不明、さらにこ男たちは最悪のギルドGの構成員四名
この中の一人はなかなかの手練れ、しかし脳みそまで筋肉の可能性はゼロではない
こんなところだろうか。いかにも最悪な状況だった。
ここでリーナは一つの可能性を見い出す。
ゼウス様が助けに来て頂けるのではというものだった、この可能性を見い出せたとき時間を稼がなければ、ただただそう思った。
そこからのリーナは早かった
「あの、囚われの身の憐れな王女のお願いを聞いていただけませんか?」
「はっ、急どうしちまったんだ まあいい聞くだけ聞いてやろ」
「あなたたちはもしかしてGの構成員なのですか?」
「何を言いだすかと思えばそんなことかよ」
「ではGの構成員なのですね」
「それがいったい、何の意味があんだ?」
「いえ、気配感知を常に張っていたのですがこうもあっさり攫われてしまったので
王帝国の諜報部隊をご紹介しようかと思いまして」
「そりゃめでてえ オイお前ら王帝国御用達の諜報部隊に出世だとよ」
他の男たちが次々に汚い笑い声をあげてリーナに下卑た視線を向ける
リーナは自分の細胞の奥から湧き出てくる怖気を必死に耐えもう一度
話を再開させる
「では、このことはお父様にお伝えなられたのですね?」
「いやそんなことはしねえ、ただでさえお国に睨まれているのにそんな事しちゃ
あのお方にどんな目にあわされるか。考えただけで体に悪いぜ」
「これはあなた達の独断ということでしょうか?」
「そんなことはねえぜ。おれりゃあの一族は掟は絶対なんでな」
「ラパックさん喋りすぎですって、リーダーにバレたらとんでもねことに
・・・リーダー!?」
「「「「ご苦労様でした」」」」
「ああ それと今日は随分と回る口だなラパック?」
「いえ、決してそんなことは」
「まあ良いわ それとこの取引だが・・・ 決裂だ」
「と言いますと?」
「まあ外でじっくり、話そう」
「はっ! 仰せのままに」
リーナはこのリーダーの男に聞きたいことが山のようにあったが途中で「交渉決裂」
と聞こえたため、身を潜めていた。
あの男たちの話は一切、聞こえてこない魔法かなにかで阻害してるのだろう
あの交渉決裂ということは自分は用済みということになるならば私はいつ
処分されてもおかしくはない。あと精々あっても4~5分っといったところでしか。
でも一体どうすれば魔法は封じられているのだし・・・封じられている?
あれ?魔法が使えないんじゃない、封じられているだけ?
ではどうして魔法が使えないの?表世界に魔法を封じる道具はない
ということはなにか特別な方法で道具に魔法の効果を付与している
魔法を付与しているのであれば、この道具自体魔法を発動しているということは
この道具は魔法の力を道具の魔力で抑えその魔法をレジストいるだけ
ということは理論的には、
魔法自体は一度作動していて、その魔法を道具に溜まってある魔力で阻害し付与れている闇系魔法でレジストしているだけ!?
闇魔法の中の封印系魔法は呪術・・・ということは解除系でレジストを仕返せばッツ
こんな「人間がこの宇宙には地球人しかいない」と考えるほど位の
傲慢的な無茶苦茶な考え方だった。しきたりや古代からの習わしが大好きな
王族のリーナがなぜこのような一つの事を色々な視点からみて考える
という思考になったかはリーナの幼少の時に遡るのだがその話は
またににて
しかもここまでの考えに至るまで要した時間は1分、まだ時間はある
リーナは藁にもすがる思いで懸命に式句を構成する
しかも由りによって苦手な呪術魔法の解呪式、いつもなら式句を起こすだけで
3分がかかり形にするのに更に1分かかる
でももうあれこれ考えている暇はない、詠唱に集中する。
「汝、忌々しき捕縛に囚われし、大いなる混沌の覇王
我の血肉代償をもって、権能を授け給え 完全消去<オーダー・ゼロ>」
式句の詠唱を終えたリーナの手足に魔力が集まり淡い青紫色を纏い始めた。
それに反応した手枷足枷がそれをさせんと魔力を四散させる力をいかんなく発動してくる、なるものかとリーナが魔力を込めるたびに枷のレジストも強くなっていく
まさにこのままじゃ、いたちごっこになり時間切れになって終わりだろう。
待っているのはいささか奴隷になるか死かのどちらかを辿るのはあきらかだ
ダメだぁ、お、押し切られてしまう、すでにリーナの手足に纏っていた青紫が
明滅し始めていて、もう耐えきれないと伝えているようだった
それでもリーナは諦めなかった、いや諦める概念そのものがなかった
マサキが自分にしてくれたように、自分も絶対に諦めない
そして早くここから抜け出して、マサキを見つけ出す!!
リーナを纏っていた青紫が強く輝きだした、今までに一番強く輝いていた
負けない、負けない、負けない、ぜッ絶対に負けない
リーナの思いが確固たるものになるにつれリーナの魔力が格段に強くなっていく
先に悲鳴を上げたのは枷の方だった。ピシッと枷に大きなひびが入る
「おねがい 外れて、・・・・壊れて!!!!」
枷の色々なところにひびが入り、一際大きな音がなる
バキン、バキバキバキバキと音を響かしながら砕け散った
よし、これで出れますね思い思いに立ち上がると
パチパチパチと拍手が鳴り響いた
「これはこれは 我々特性の拘束用、
「ッツ それはそうと一様ですが私はどうなるのですか?」
「ほう、俺も数々の王族や貴族を見て来たがマジックファクトを壊したのは
貴様がはじめてだぞ?まあこれからのことは教えても意味なかろう。それと
大人しく我々の言うことを・・・・ おっと無駄なようだな」
リーナは無意識に初級の炎魔法を放っていた。相手の殺気はグングンと上がっている
枷を破壊するために膨大な魔力を消費したため立っているだけで精一杯だった
更に一般の市民いや中級の冒険者でも意識を保つのが難しいくらいの殺気を纏っていており現にリーナは全身が震えており立っているのもはばからない状態だった。
それでもなおリーナが立っているのは奇跡に違いなかった
「おいおい もう満身創痍だなもう一度言うが俺には勝てない。薄々お前なら
気づいてんだろ。頼むから仕事をあまり増やさなでくれ」
「いえ、私は戦うつもりはありません。もう残りの魔力ものこり少ないですし」
「なに言っているんだ まさか鬼ごっこでしようってか」
「そのまさかだったら?」
リーナは初級の炎魔法で廃屋の壁を破壊し一目散に逃げた
「鬼ごっこは得意じゃないんだけどな」
リーダー格の男は足に魔力を込め、一思いに地を蹴った
次の瞬間にリーナの前にあらわれた。村の廃屋の中に隠れていたのに
あたかもそこに隠れていたことが分かっていたかのように現れたのだった
さすがのリーナもこの状況に呆気に取られていた
しかし即座に理性を取り戻し再度逃げ出そうと動こうとしたときに
その場で地面にひれ伏すことになった
「なんなんですかこれは 体が動きません。一体これは・・・
もしかして魔法⁉そんな詠唱なんて一切してなかったのに⁉」
「はいはい よい子はお寝んね時間だ」
直後に身体からごそっと意識を切り取られるように意識を飛ばしそうに
なった。
「うぅ・・・ ま、まけま、せん」
「なかなかの精神を持っているじゃないか
お前はほんとにおもしろい奴だ。どうだなんなら此方側にくるか?」
「・・・・」
「たく 三大幹部直々の推薦話だって言うのにもったいねえな」
リーナは朧気になっていた意識を強引に刈り取られた
転生は、するもんじゃないと俺は思う ri-ta @sanshin105
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