第五話 現実という名の夢
そうして3人はリーナとマサキ、ゼウスで別れて行動することになった
マサキとリーナは簡易的な寝床を作るために必要な骨組みの代わりになる木を探しに来ている。
しかしながらマサキはというと、リーナと一緒になれた事で頭の中はリーナのことしかない。
この現状を傍からみると、美少女が後ろの冴えない男に追い回されいるよな絵面だった。しかも男はニヤニヤとしているという変態属性付きの・・・・
だがマサキは単に変態思考にふけってた訳じゃない。なにか話をしようと思ってはいるのだが、
会話が続くような話題がないのだ。この世界ことはというと頭の中に強制的に植え付けられており、大体は把握している、他に何かないかと考えるもパッとしない、それでもってマサキはただの高校生ではなかった。 地球上に居ながらもオタクというスキルを取得していたのだ。
だがそんな奴は地球上にはごまんといるのだが
そして取得しているスキルを今、いかんなく発揮している。「オタク」スキルの初歩≪コミュ障≫が発動されていた。
リーナはというと、後ろでニヤニヤしていたマサキが急に神妙な顔つきになったりとしていたので
一言「どうしたのですか?」とにこやかに言ったら、マサキがビクンとなってその場で倒れこんだので
今日は体調でも悪いのかなと思い、話しかけないでいた。
無言のままで30分位歩いただろうか、リーナが1本の大樹の前で止まった
「マサキさんこの木にしませんか?これ以上先に行ってもなさそうですし、どうでしょうか」
「そうですね 先に進んでも戻るのが遅くなりそうですしね」
「ところで、リーナさんいったんここで少し休憩しませんか?」
「そうですね 少し休みましょうか」
そう言って大樹の根元に腰掛ける
「一つ気になっていた事があるんです」
「はぁ 何ですか?聞きたいことって」
「どうしてあの洞窟にいたんですか?リーナさんは王女なのに治安が悪く、しかも王城からこんなに遠く離れた場所に?」
「それは・・・・ ここで話をしてしまうと長くなってしまうので今夜お話しませんか?」
「分かりました では今晩リーナさんのテントに行きますね」
「はい お待ちしております」
なんだかしんみりした雰囲気になってしまった。だけど、どうしても気になっていて聞いてしまったのである。
何故王女という身分でこんな野蛮なような所にいたのか、それとも本当に第一王女なのか
まあ考えても仕方がない、今晩分かることなのだから
沈黙という悪魔が場を支配し始めて5分くらいたっただろか。
リーナと二人しかいないのに、急に空気が騒がしく感じた。
何かが先ほどと何か違う、なんと言ったらいいのだろう。
胸の奥がこう落ち着かない しかも今度は静かになっている
騒がしいなと思っていたのに、今度は明らか静かすぎるのだった
リーナは先程からうつむいている。
俺は辺りをぐるりと見渡す、だが変わったところはない。考えるよりも先にすごい衝撃が背中を襲った。何があったのかと確かめようと思うがその必要はなかった
なぜか、自分の体を貫通させている刃を見れば十分だった。
ゴハッッと口から見たこともないような、血を吐き出した
「えっ?」
この急展開にマサキの頭の処理が追い付かない。待て、いったい何が起こったんだ
何がどうなってこうなっている ッツ、ダメだ意識が・・・・
マサキは必死に離される意識をギリギリ繋ぎとめた。
しかしマサキはもう目の前がまともに見えていない。
死を感じた。ただ単に生まれて初めての死を感じた
さながらマサキは取り乱してはいなかった。しかも、俺を襲ったのは誰なんだ?リーナは?とこんなことしか頭にはなかった。
なぜこんな余裕じみているのかはマサキ自身も分からなかった。全然さっぱりというわけでもなかったが。
機にマサキの命は消えかけている でもこんなに考えられるのは死ぬ前によくあるという時間間隔が伸びると云うやつのおかげだろう
マサキはここまで考えられていた。だが吹き荒れる風の中にある蠟燭の灯火であったマサキは死んだのだった
ピチョーンピチョーンと水溜まりに水滴が落ちる音が聞こえてくる。
あれ?俺って一体なにしていたんだっけな、思い出せねえ、どうして俺はここにいるんだ
ここは何処なんだ?、と立ち上がろうとして盛大な痛みに顔を歪める
ん?なんなんだよこの痛みは 怪我も何もしていないのに・・・・
でも痛みは気づいた時に感じたときだけった。今はもう収まり始めている 背中の痛みが引くのをまって、ようやく立ち上がり周りを見渡す、どうやら此処は一本道になっているようだった
ここに留まっていても意味がないと思ったので先に進むことにする。
不安を押切り一本道を着々と進んでいく
しばらく歩いていると、道が二つに分かれていた。どうしたものかと悩んでいると、ふと思った
右に行こう あとは早かった 何故か、道が別れるたびにこっちだな、こっちだなと思えるのだった。誰かが直接、頭の中でこっちだよと言ってくれているみたいだった
この感覚で分かれ道をどんどん進んでいく 7回目の分かれ道を進んでいると、大きな湖がある空間に出た。
そこには今まで通ってきた岩肌がゴツゴツしたような殺風景な所ではなかった。
壁には苔が生えており、ちょっとしたこの空間の中に森が作られていた。とても言葉では言い表す事ができないような幻想に満ちた空間があった
少しの間、この空間に目を奪われていると、湖の中に島があるのを見つけた
気になった島を凝らして見てみると淡い光に纏われていた浮島があった
とりあえず此処には浮島以外に目につくモノがなかったので、浮島を目指すことにした。
見た感じ足が付かないような水深があるようには見えないのだが、今見えている底がしっかりとしたもかどうかも分からなかったので何か細長い物でも落ちていないかと回りを捜索する。やはり都合よくそんなものは見つかるわけがなかった
仕方なく湖の畔を添うようにして探索を再開した。もともといた所から半周行ったところであることに
気づいた。この湖、水が張ってあると思っていたのだが、どうやら水は一滴も張ってはいなかった
それとなく、湖を触ってみたのだがあるべきはずの水の感触がなく、空を切った。
水がないと分かれば地面が泥化することは無いだろうと決めつけ、躊躇いなく一歩踏み出した。実はこの一歩を要するのに30分掛ったのだがそんなこと気にするまでもないのでおいおく
予想していたとおり地面はしっかりとしていた。しかし水が張ってあるように見える幻視は解けていないのですごく気持ちが悪かった。黒板を爪で引掻いた時にでるあの音を聞いた時に出る、ああぁぁぁってなるような感覚だった。
水は無いが両手を上にあげ掻き進むように歩いていた。マサキにはその自覚はなかったが。浮島まであとほんの少しのところで、あの光にぶつかった
マジかぁ上陸すらできないのか、でも他に何もないしなぁ、 仕方なくそのまま来た道を戻る
まあとりあえず一周してみるか、とまたまた探索を再開した。戻った所から半周ほど行ったところ位だろうか、カコーンっと何かを蹴飛ばしてしまった。よく見てみるとヨーロッパの王様が好きそうな純金製のグラスコップがあった。グラスを手で触り確かめてみる。しかしまあなんといっても金であること以外になんの特徴もない、何かこいつから感じた。俺はなんも関係ないよ!って、いや明らか関係あんだろ
もう少し行った所には台座みたいな出っ張りがあるし・・・・
分かった、此処を作った奴は阿呆だ。出っ張りには明らかグラスはココへとでも言いたげな怪しげな窪みがあった
そのまま疑いもなく窪みにグラス嵌めるも何も起きなかった。出っ張りを叩いているとカポッといって外れたそして湖(偽)にドポンといって落ちた。
え?ドポン?湖に水なんて張ってないぞ・・・・と考えながらグラスを拾う しかしグラスには何も入っていない、それどころか水気も一切無かった。
普通ならまたここで考えるのだろうが違った。阿保のことだ・・・・
まさかなぁと思いながらも何もないはずの湖(偽)に水を掬い上げるように掬ってみた、ドポン・・・ザプーン、グラスには並々に注がれた水(偽)があった。
たく 一体何なんだよ、あっさりと解けてしまった事に少し呆れていた。
水(偽)で一杯になったグラスを出っ張りの窪みに嵌めてみる。すると出っ張りが地面の中に沈んでいった
その反動でこの洞窟全体が少し揺れ、浮島の周囲を纏っていた光が空気中に溶けるように消えていった。
よし、これで浮島に上陸できるな 湖(偽)を進んでいき浮島に辿りつくことができた
あまり大きくなくこれといって障害物もないので、今いるところから島の全貌を見渡すことができた。これまた何かあるわけもなかったが。
まあ、遠目か見ても何もなかったので期待してなかったのが・・・
それでも何処か期待してしまっていたので、残念だった。
まあ歩き回ったなんか見つかるだろうなと思い、一歩踏み出すと足元に人一人分の魔法陣が出現した。魔法陣は次第に強い光を放ちはじめた。
おいおい大丈夫なんか?と思うもなぜか危険な感じはしないのでそのまま身を預けることにする。
最後に一際強く輝き、何とも不思議な感覚に包まれた。
不思議な感覚に包まれるのと同時に気持ちいいくらいの眠気がきた。もうなんというかそのまま寝てしまいたい気分だった。
でもなぜか眠気だけには負けてはいけないよな気がするのだがとても我慢できそうになかった。
ウトウトとしていると自分の周りに赤い球体がふわふわと浮かんでいるのに気付いた。
すると赤い球体が次々に弾けはじめた。あの球体のせいか急激に身体全体が倦怠感で一杯になった こう寝ているときに叩き起こされたようなすごく嫌なというような
不快感を強く感じた。
しかしこの時すでに遅しと、いうべきか自分の意識はまたも途切れてしまうのだった
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