クロス

ばる

第1話 あの日

ーくそっ!なんでだ . . .

血の匂いが漂る。吐き気がするくらいに。

俺は横になったまま起き上がれない。

このまま死んでしまう、そう思った。

ーシグ!立って!私達しか戦えないのよ!

エナだ。

そうだ、俺たちがやるしかないんだ。

仲間を殺され気が動転している。

痛みをこらえながら立ち上がる。

ーオーラス、お前を許さない!!

怒りと悲しみに押しつぶされそうになる。

ーかかってこいシグよ。

シグとオーラスがぶつかった


夢だ。なぜ今あの時の事を思い出すんだ、、、

「よーし。起きるか。」

朝から嫌な夢を見たせいであまり戦闘に集中できない。

「シグ!戦闘に集中して!」

その声に「ハッ」と反応した。

巨大なドラゴンだ。

炎を吹いた。

エナの能力で無効化し、シグがカウンター攻撃をする。

シグが使う武器は「シーソード」

鋭く長い剣だ。

「くらえっ!」

ファイアボールを放ち、ドラゴンを燃やす。

そしてシーソードに火を付け、八連撃を繰り出した。

無事討伐に成功した。

「ふぅ。危なかったわね。次行きましょ」

エナは満面の笑みでそう言った。

「そうだな、ささっと行こう。」

二人は次のダンジョンを目指し進んだ。

移動中、黒い霧が二人を襲った。

「エナ!大丈夫か!!」

お互いの位置が見えなく下手に動くこともできない状態だ。

「シグよ。よく聞け」

聞き覚えのある声だ。俺が最も恨んだあの男。

「あの日のあの場所で一か月後待っている。」

脳に直接話しかけてくる。

「オーラスてめぇ!どこにいる!!」

怒りが再び生まれ、オーラスに問う。

「そこにはいない。今お前に話しかけているのは俺の能力だ。

それでは、待ってるぞシグよ。」

徐々に黒い霧は消えてゆき、周りへと目をやった。

しばらく見渡しているとエナを見つけた。

ついさっきあった事、聞いた事全てを話した。

「今の霧は奴、オーラスだ。アイツは俺に言った。

あの日のあの場所で待っていると。俺はアイツを倒さなきゃいけない。」

少し落ち着き話した。

そうするとエナが、

「なら、私も行くわ。シグひとりじゃ危なすぎる」

本当なら連れて行きたくないシグであったがその場しのぎの適当な返事をした。

その日は一通り散策をし、宿へ向かうことにした。


ーそれからしばらくたち、二週間ぐらいの事


メイルとの機密作戦に出かけた。

作戦内容書にはこう記されていた『今回の作戦は国王の防衛だ。昨日国王暗殺の脅迫があった。いたずらなら無視できなくもないが今回脅迫のメモが届いたのは

凶悪組織の『サーヴァ』というグループからのものだ。奴らは手ごわくどんなに危ない手段でも使うようなやからだ。十分に気を付けてくれ』

とのことだった。

「それにしてもサーヴァか。前に戦った時結構手こずった相手だよな。」

思い出しながらメイルがいう。

「まぁな。でも今回の配置は各々の能力に特化した配置にしてるからやりやすいだろう」

今回の配置はシグが考えた。

国王の護衛は能力を無効化させることができるエナ。

そして移動経路は建物に囲まれているから左右の建物をシグと国から派遣された高実力を持つベルクという物が守る。

遠距離魔法が得意なメイルは遠くから監視し、怪しい人物、グループのメンバーを発見し次第報告、確保を担当する。


ー数時間後


それぞれの配置につき作戦が開始した。



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クロス ばる @yu-to1534

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