舞台は閉ざされた村。
その村では、雨乞いのため、村の若い娘を龍神様の「花嫁」として差し出していた……。

主人公のあやめは、姉が「花嫁」に選ばれたことが受け入れられず、泣いていました。
そこに、突然、村長である父が登場。
父により、あやめは姉と入れ替わり「花嫁」衣装に身を包むことになります。そして、あやめは「龍神」に出会うのです……。

まるで、昔話のような雰囲気の本作。
ですが、後半はまるで、ダイナミックなアクション映画を見ているような気分になりました。自然や龍神の力強さを、ありありと感じます。

なお、本作は「異世界ファンタジー」ですが、「恋愛」としても楽しめるのではないかと思います。

村の因習により生贄に捧げられる娘の話、と書くとよくある物語なのかもしれません。しかしその意外な展開と、順番に紐解かれていく真実から最後まで目が離せませんでした。
まずは第一話を読んでみてください。すぐにその意外な展開に惹き込まれますよ。

雨乞いのために人身御供に娘を差し出す……というダークな流れで、重い部分もありますが、どちらかというと、ほのぼのとしたお話です。
龍神様の飄々としたキャラが、いい味出していると思います。