第4話

「へー、知り合いいたなら良かったじゃん。

私なんかなーんにもなかったぞ」


ホットプレートの肉をひっくり返しながら椿が言った。


「うん、中学受験の時同じ塾だった子で。割りと気さくに話してくれるし、仲良くなれそう」


「そりゃあ良かった。はい、肉」


「ありがとオホッオホッ?!?」


思わずむせる。


「あれ、お口に合わない?

高崎椿特製タンドリーチキン、芹香のために甘めにしたんだけどな」


「か、辛いよ…」


「えーこれでも辛い?じゃあ芹香は豚肉焼いて食べて、私がチキンたち食べる」


「うん…」


椿の料理は、不味くはないけど全体的に辛いしこれからは私が料理しないとだな…


「ところでさぁ、今日どうだった?私渾身の化粧と髪型なんですけど」


「あぁ、ありがとう!

やってもらった時もすごいなって思ってたけど鏡見る度にきゅんきゅんしちゃって…」


「でしょー!

芹香は2年の時クラス離れたら、重松さんたちのグループだったじゃん?


あの時は妙に化粧品とか買い出すから何かと思ってたりしたけど、やっぱり芹香可愛いし化粧したらもう敵無しだよねぇ~~」


「そんなことないって。でも椿は化粧とか興味なさそうだったから化粧上手でビックリした」


「あー、化粧なんか高校生未満するもんじゃないなって思ってたからさ。どうせ学校だって女だらけなのに何でだろーって感じ。」


「でもやっぱり椿ママはデパコスのタッチアップの人だもんね、教え込まれてたんだ?」


「何だっけ、そのタッチアップの人」


「なんだったっけなー…まぁ私たちはそんな感じで可愛くなってけば良いんじゃない?w」


「そうね」


「うん、てか椿本題話して話して」


「あーwwごめんw

まぁなんか中学上がるときに一通り言われたけど、本当は受験終わってから私も芹香と同じように頑張ろうかなって思って、聞いたのよ」


「えっそうなの?」


「まぁね…

ちょっと恥ずかしかったから言わなかったけど、芹香は何かそういうの天然で鋭いよね」


「そう?w」

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可愛くなるには何が要る? 水桜 @mio-0524okcijt-mio

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