解決編

「クサいって言ってたのは、この事件ヤマのことじゃなくて本当に臭かったんですよ」


 ティッシュを取り出し、靴底をぬぐっていると有田が声を掛けてくる。


がついてるって言うのも、お得意のダジャレだったんじゃないですかぁ?」


「あぁやっぱり。ここに犬のフンがありますよ。これをくぐった時に、踏んだんですよ。フンを踏んだ、って藤崎さん言いそう」


 黄色い規制線のあたりにしゃがんでいた有田が、笑顔で指をさしながら言う。


「ほら、いつも現場に入るときは右足からってげんを担いでいたから、その時ですよ、きっと」


 歩いていたときの違和感は、靴底にフンがついていたからか。

 一人で納得していると、嬉しそうに有田が言った。








「実は最初から分かっていたんです。だって今回のタイトル、『そこ(底)にあるもの』でしょ?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

そこにあるもの 流々(るる) @ballgag

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ