第2章 自己紹介…?

なんとか、大量の魔物たちを倒すことができた。殴られたり蹴られたりすごく痛い思いをしたのに、何故か全身無傷だった。後で知ったのはそれが、俺の特殊能力だということ。

すごくいらねぇ。

魔物を倒すことで俺は革の防具と魔物の肉を大量に手に入れた。俺を召喚した主の名はティアラということがわかり、ティアラに誘われ、パーティーメンバーたちとビーフシチューを作り野宿することになった。

ティアラをいれた4人のパーティーは女子しかおらず、皆同じ魔法学校の同級生だったそうだ。

一番背が小さくて、赤毛のショートカットの子がリッカ。体が小さく、運動が得意。職は盗賊らしい。結構意地を張ることがあり、よく人に喧嘩をうっているという。

藍色の長い髪を後ろでひとつに束ねているのがレイ。リーダーシップがある頼れるお姉さん的な存在。職は剣士らしい。

黒髪のロングにメガネの子はルカ。いつも真面目で優しく、色々な魔法や薬草に詳しい。職は、この世界では珍しい学者だ。冒険に出る時はヒール担当らしい。ルカは使い魔を連れている。名前はライトだ。左目は青で右目は黄色の黒猫だ。ちなみにリタ語を話せる。

この世界では人のことをリタと呼ぶらしい。つまり、リタ語とは人が話す言葉だ。

「すごく遅くなっちゃったけど、最後はパーティーリーダーの私、ティアラです。職は魔法師をやっています!」

魔法師とは、魔法を使って援護射撃をしたり、罠をしかける役割だ。

あとでライトに聞いた話によると、ティアラはドジばっかり踏んでいるようで、みんなからは天然キャラだと思われているらしい。

一通りの自己紹介を聞き終えたところで、俺も自己紹介をすることにした。

「俺は鈴木 颯人。よろしく。職業は…全くわからん。さっき、突然この世界に呼び出される前までは全く別のところにいた。」

俺が、突然この世界に呼び出されたと言った瞬間、ティアラの肩がビクンと震えた。

レイがティアラの背中をさする。レイに背中を押されるようにしてティアラは俺を呼び出した経緯を説明しはじめた。

「元々は、この4人でウルフ狩りのクエストを受けていたんです。でも、思ったよりたくさんのウルフに襲われて…咄嗟にまだ一度も使ったことのない召喚魔法を使ったんです…」

「召喚魔法は、使い魔などを呼び出す魔法だ。」

「でも、ティアラの場合、使い魔がいないわけだから使ったら何が召喚されるかわからないの」

「んで、召喚されたのがソウトってわけ、めっちゃ弱そうだったから焦ったよ~。」

ティアラに続き、レイ、ルカ、リッカが説明を付け加える。

リッカの挑発に俺は、眉をひそめた。

「おい待てリッカ、結局ウルフたちは俺が全部倒したよな…?」

「ま、見た目の割にやればできる子ってことっしょ?」

「み、見た目の割にってなんだよ、おい!!」

「みるからにヘタレそうだから言っただけ!」

二人のやりとりを聞いていた3人が笑い出した。

「な、何笑ってんだよ!」

「だって~二人のやりとりが幼すぎて」

「幼いのはソウトだけだ!」

「はぁーー!?」

こんな会話が続きいつの間にか寝落ちしていて、気づいたら朝になっていた。



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彼氏兼使い魔!? 猫田 美栗 @Hironac

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