忍法 無残絵(にんぽう むざんえ)

作者 躯螺都幽冥牢彦(くらつ・ゆめろうひこ)

7

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★★ Very Good!!

フリーの忍、鬼岳沙衛門は従者のくノ一、るいを連れ、書面奪還の任に就く。

無事に敵の頭目の所在を聞き出した沙衛門一行であったが、敵も一筋縄でいく相手ではなく……。


時代小説でありながら難しい表現もなく、文字数も少ないのでさらりと読める作品。

同作者のシリーズにおいて、プロローグとも呼べる本作。他のシリーズ作を読む前にこちらを読んでおくことをオススメします。

★★★ Excellent!!!

戦国時代、甲賀と伊賀の忍びたちが忍法戦争をおこなっていた。
甲賀の忍びである鬼岳沙衛門は従者である「るい」を守るため里を足抜けしてフリーランスに忍者家業で暮らしていた……。

躯螺都幽冥牢氏の忍法シリーズには魅惑的な忍法が沢山登場する。
「忍法 死化粧」「忍法 月水面」「忍法 夢氷河」etc
実際の忍法というよりは、数千度の熱を発したり、鏡に映った相手を粉々にしたりとファンタジーの呪文に近いだろうか。

本作のタイトル自体が「無残絵」という忍法なのだが、これが沙衛門とるいの運命を分かつ憎っきもので、物語を語る上で欠かせない。

忍法帳ものとして欠かせないのが艶っぽいシーン。
忍びとしての刹那をおう歌するがため、お互いを求めあう描写はのちに待ち受ける至難を思えばなんと生き生きとしたものであろうか。

まごうかたなき傑作であり、また後のシリーズに続く「序」。
氏の作品を読み解くなら必読必須である。面白い!