クリスマスオブヘル~恐怖の血みどろサンタクロース~

流布島雷輝

クリスマスの惨劇

 クリスマスが今年もやってきた。サンタが街へやってきた。みんなにおなじみの真っ赤な服で。そばにいるのはトナカイさん。大きな白い袋を持っています。

 サンタのうわさを聞きつけて、町中から子供たちがやってきます。サンタクロースの元に集まります。プレゼントを求めて。


「みんなこんばんは。私はサンタクロースです。よいこの皆さんにも悪い子の皆さんにも、平等にプレゼントをしてあげましょう!」

「わーい、ちょうだい」

「ちょうだい、ちょうだい」


 子供たちはサンタクロースに思い思いのプレゼントはねだります。微笑ましいクリスマスの光景ですね。

 あれあれ。いつの間にかサンタクロースは斧を持っています。どういうことでしょう。このまま様子を見ていましょう。

 サンタクロースが無慈悲に斧を振るいます。サンタクロースの目の前にいた子供の首がはねられました。

 場が一瞬、静寂に包まれました。


「そう、プレゼントはプレゼントでも貴様らの死という名のプレゼントをなああああああああ!!!!」


 街は阿鼻叫喚に包まれました。逃げまとう子供たち。地獄の鬼ごっこの始まりです。

 サンタの斧は平等です。逃げ遅れた子供たちの首が次々と撥ねられ、乱れ飛びました。それをサンタの忠実な下僕トナカイたちが袋に、転げ落ちた首を回収していきます。


「ひひひひひ。首をはねさせろ!首をはねたいいいいいいいいいいいいい!」


 恐怖のサンタクロースが街を行く。その服を深紅の返り血に染めて。そうです。サンタの服が真っ赤なのは、殺戮の結果なのです。みんな知ってたかな。


 騒ぎを聞きつけて大人たちがやってきました。サンタクロースは斧を振るいます。さらに首が乱れ飛びます。殺戮のバーゲンセールです。


 街の人たちは警察を呼びました。警官たちが拳銃をサンタクロースに放ちます。

 けれど、サンタクロースには効きません。クリスマスの加護がサンタクロースを守るんです。素敵ですね。


 ほらほら警察官も返り討ち。サンタクロースが進みます。

雪が降ってきました。白と赤の美しいコントラストが街を彩ります。明るい月が鮮やかな街を照らしながら、地獄の夜は続きます。


殺戮を繰り返しながら、いつしか夜明けが近づきました。クリスマスの夜もついに終わりを告げます。全身を真っ赤に染めたサンタクロースがそりに乗り、はるかな空へ飛び立ちました。


さようならサンタクロース。また来年会いましょう。


それでは皆さんご一緒に!


「メリークリスマス!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

クリスマスオブヘル~恐怖の血みどろサンタクロース~ 流布島雷輝 @luftleiter

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ