応援コメント

第八十三回 石勒は謀りて王彌を殺す」への応援コメント

  • 王彌まで死にましたか。

    北漢を初期から支えた勇者である彼も、内ゲバによって、かつての仲間を謀ろうとした上で、謀られて斬られてしまいました。通俗續三國志第十一回での格闘は、英雄たちが互いに認め合うための話だったはずですが、わざわざ王彌を殺す役目を引き受けた孔萇・桃豹は、実は、王彌に含むものをずっと抱いていたという話になってしまいます。

    これはもう三国志演義の続編や水滸伝の亜流ではなく、完全にオリジナルな歴史講談ですね。

    かなり説明不足ですが、八十二回の王彌が話していた「劉聰が劉和を弑虐して帝位を盗んだ」という話しは、劉聰が太子になっていたのでかなり唐突感がありますね。大会戦の後、問題が浮上した後、いつの間にか解決したと思っていたのに、劉聰が即位して、急に吹き出しました。

    考えられるのは、劉和が太子になろうとして運動していたのを、諸葛宣于・張賓・陳元達が阻止して、その件は終わっていたのに、劉聰が即位後、劉和を殺害しようとしたのを、呼延晏・呼延攸・劉乗・劉鋭が諫めて、あわせて殺されたのでしょうか? それとも、王彌は長子の劉和が太子になるべきだと思っていたのに、劉聰が太子であることに不満があったのでしょうか? よく分かりません。

    史実では、呼延攸・劉鋭は即位した劉和に進言して、劉乗とともに劉聰たち諸王を攻撃しようとして、反撃に遭い敗れて、劉和とともに殺されています。呼延晏は架空も加えて人物が多すぎるがゆえに整理されてしまいました。姜発はともかく、姜飛は必要なかったですな。無念。

    ただ、王彌の人物像はキャラ崩壊といえばそうですが、豪快そうで実は狷介で、人物は単純そうで実は裏表がある人物に描いており、水滸伝や三国志演義にない複雑な人物像を描こうと模索した萌芽が見えます。これは、結果はともかく、評価してよいところかもしれません。

    作者からの返信

    こんにちは。

    〉王彌

    何となく、王平の子の独自設定と石勒に暗殺される史実に引き裂かれたイメージです。


    〉孔萇・桃豹

    たしかに、王彌とは馬邑以来の因縁でした。

    『水滸伝』なら酒を酌み交わして仲直りのパターンですが、暗殺役を担ったことでジメジメした印象を与えてしまいます。

    ただ、何となく本作は暗いというか、不穏な感じを拭い去れない描写が多い気がしますね。

    「第七十回 韓橛は金龍城を建つ」の劉淵もヒトデナシな感じでしたし。


    〉完全にオリジナルな歴史講談ですね。

    史実に寄せざるを得ず、結果的にこうなったのでしょうけど、仲間割れというか、自立を図る展開は実にドライです。遊牧民的だなあ。


    〉劉和

    なるべく触れないようにしていますよね。
    全体的に不穏な感じなのに、劉和と劉聰の争いまで描くとかなりエグいハナシになりますから、自重しているようにも感じます。


    〉劉聰

    「第八十二回 石勒は人を遣りて趙彭を訪う」に、王彌は劉聰をあまり評価していないというか、同輩と見ていた描写がありましたね。


    〉王彌の人物像

    まあ、呼延晏たちの殺害はともかく、王平と王彌父子は黄皓専権の蜀漢で職を辞して閑居していましたから、忠義を尽くすキャラではないのでしょう。
    劉聰が器ではないと感じ、さらに劉曜とも不仲になった王彌が洞が峠を決め込むのも、スジは通っていますよね。違和感がないです。

    キャラ作りに成功しているように思います。

    劉霊・関防・関謹・汲桑に続いて王彌も退場。漢の大物部将がいよいよ少なくなります。