応援コメント

第七十二回 坦延は詐り降って劉曜を破る」への応援コメント

  • 劉淵が段々、怒りっぽくなり夷陵の劉備みたいになっていますな。石勒・張賓の件といい、北漢に早くも衰勢の翳りが窺えます。

    今回の曹武も王衍たち貴族勢力の切り札っぽいですが、どこにいたのかとか、七星宝刀や倚天剣ならともかく七保刀とはなんなのかとか、相手の武器を壊すという設定がいきなりなくなっているとか、曹洪の孫がなぜ曹操の武器を持っているのかとか、ツッコミどころが多すぎてわけがわかりません(笑)。

    今回の劉曜は、姜發の進言を聴いた上で敗れているので彼だけの責任ではありません。坦延の命がけの芝居にしてやられたのです。二人とも腐敗し、衰退しきった晋にそれほどの忠誠を尽くす地方官がいるとは思わなかったのでしょう。

    この戦いの劉曜は内応を待って厳しく攻めなかったところは、長安攻めの桓温、偽降したものに騙されて敗北するところは、淝水の戦いの苻堅に似ています。あるいはモデルにしたのかもしれません。

    ところで、近くにいるはずの滎陽太守の李矩は何をしているんだというツッコミがあるかもしれませんが、彼は史実ではただの塢主に過ぎず、東海王に一応、太守(滎陽ではない)に任じられていただけに過ぎません。小説として補完するなら、許昌方面は兵はいても司馬越を助ける将がいないので、李矩はそちらの方で石勒軍と戦っているとみなしてあげてください(笑)。

    作者からの返信

    こんにちは。

    〉劉淵

    明らかに老いからの焦りが現れていますよね。

    前作の「第七十回 韓橛は金龍城を建つ」でも平陽に城を作った蛇の化身である韓橛を穴に捨てたり、先行きの暗さは暗示されていました。

    いよいよそういう時期が来た、ということなんでしょう。衰退の始まりはこういう伸長期にあるのが大半でしょうし。


    〉曹武

    ビミョーに中途半端な感じです。七保刀は調べましたけど、なんなんでしょうね。
    そもそも司馬氏に簒奪された曹操の一族を切り札にせざるを得ないのも、三国志の遺臣末裔設定によるんでしょうけど、それなら曹嶷みたく北漢に与して仇討ちさせる方が自然な気もします。
    まあ、曹氏→司馬氏=どっちも蜀の敵!ってことなんでしょうけどねえ。。。


    〉劉曜は、姜發の進言を聴いた上で敗れているので彼だけの責任ではありません。

    たしかにそうですね。
    しかし、呼延攸に重ねて諌められてようやく従った感じで、渋々感満点ではありました(笑

    器としてはどうかなあ、と。
    どうしても石勒と比較してしまいます。


    〉坦延

    ポッと出のわりに破壊力バツグンの働きでした。
    おいおい!って感じではありますが、北魏末に圧倒的な爾朱氏の軍勢を敵に回し、北魏皇室のために火船の計で河橋を焼いて戦死した、李苗という朝臣がおりましてですね。。。乱世にはこういう方が一定数は現れるみたいですね。
    維新期の河合継之助みたいな存在なんだろうか。。。


    〉滎陽太守の李矩

    彼もまた祖逖と同じハコの印象ですが、活躍は次作に入ってからなんですよね。

    前作から諸侯扱いの上に洛陽近郊にいるはず、でもほとんど現れないという矛盾。北宮純とか涼州から加勢に来ましたからね。遠いって。

    しかし、滎陽は汴に抜ける東西の流れ上にあって南は山がちなので、許昌の救援に行くのもツラそう。
    黄河沿岸を交通して倉垣の苟晞と連携していたと見たいですが、連携していた描写もなさそうです。

    実際には、有事になってから台頭した人物だから、仕方ないんでしょうね。