通俗續後三國志前編
十五章 八王呑噬:齊王司馬冏
第一回 成都王司馬穎は佞を避けて職を去る
その事情を探れば、近隣の異民族たちが晋漢の争闘を好機と見なして辺境を侵し、そこに漢の
成都王に願い出て
「急ぎ入朝して敗戦の責を負わねばならぬ。三千ほどの軍勢を率いて洛陽に向かい、
盧志が進み出て言う。
「お言葉ですが賛同できませぬ。時勢を観るに、
成都王はその意見に従い、洛陽に使者を遣わすと上奏文に印綬を添えて朝廷に返上した。齊王はこの上奏を見ると、成都王の有能と己への
成都王が入朝すると、晋帝の
盧志が密かに言う。
「およそ、意を満たせば禍もより険しいものです。今の世を考えれば、君子は野にあって小人が朝廷に満ちております。それゆえ、
成都王はその意見を
齊王は成都王が軍権を返上したことを喜び、
※
成都王は
葛旟はこの
「成都王は宗室の直系、さらに漢賊の乱を退けた功績がございます。
▼「司馬覃」は
齊王はその策を容れて東海王と約を結び、晋帝に勧めて言う。
「司馬覃を太子に立て、東海王を
▼「太子太保」は皇太子を教育する守役と考えればよい。
晋帝は疑うこともなく、司馬覃を太子に立てて齊王を
▼「太子太師」は皇太子の師父と考えればよい、
「齊王の専権を観るに、
成都王はそれを聞くと眉を
「仁義をもって対すれば、彼とて禽獣のように
長沙王は言い募る。
「齊王にそのつもりがなくとも、それに従う者たちは久しく謀を懐いておりましょう。
成都王は頷きつつ黙然と聞き終え、言った。
「兄の言葉は虚言ではあるまいが、謹んで余人に漏らしてはならぬ。孤もよくよく考えてみることとしよう」
座を立って謝すると、それぞれの王府に還っていった。
※
成都王は府に戻ると密室に
「趙王を討つにあたり、大王は
「齊王の勢は大きく権は重い。どのように処するべきであろうか」
盧志が勧めて言う。
「この局面を切り抜けるのは易いことです。上奏して政事への参与を辞退なさいませ。その上奏文には『漢の
成都王は盧志の意見を容れ、上奏して漢賊の害を申し述べ、
齊王は己の威徳を
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