Rock ‘n’ roll never die!!

 インセクトゥムとの国境線を守る砦は関所の様に各所に造られている。

 今回僕が戦っており、破棄されることになった閣下との思い出の地である砦もそんな幾つかある砦の一つだった。

 ただ、少しばかり重要度が高い。

 それは最も奥に撃ち込まれた楔であったからであり、インセクトゥム達の最大規模コロニーの監視の為に造られたから、最大規模コロニーから最も近い位置にあるからだったりする。

 女王種クィーン

 繁殖能力が強さの一つであるインセクトゥム達の兵器工場が近くにある。

 ……まぁ、それを殺して無事に僕らの任務を終わらせてのハッピーエンドは期待しない。

 平和な時期、余裕がある時期ですら無理だったのだ。

 今の状況で出来るとは思わない方が良い。

 時間を稼ぐ。

 街に残った人が、或いは砦から撤退した偉い人と、弱い人と、善良な人が新しい防衛線を造るだけの時間を、悪い奴等と、強い奴等で構成された僕等が造る。

 蟻地獄に落ちた蟻の様なモノだ。

 もがけば生き残る時間は伸びるが、その後は――

 まぁ、だからと言って時間稼ぎなのだ。

 簡単に死んではいけない。


『スマイルから各小隊、お仕事開始のお知らせだぁ! 手筈通り、ハイボール、ハロウィンで止めて、グッドマンで削る。ハウンド、お前はピンポイントで指揮官をってくれや!』

『ハイボール、了っ解!』

『ハロウィン、了解』

『グッドマン、承知した。……ハウンド、敵中央からやや右だ』

「ハウンド了解」


 そして――


「助かったよ、グッドマン。――見つけたタリホー


 アーマーアントの中にいるアーマーソルジャーアント。敵歩兵の指揮官をスコープの中の視界に収める。

 引き金は引かない。子号がマーキングをしたのを確認し、同じような個体と、コクーンを背負っている個体――通信兵を探す。

 敵歩兵の数は多い。一人の現場指揮官と通信兵で賄えるものではない。指揮官を八匹、コクーンを二十匹見つけた。

 僕等スマイル中隊の担当区画にやって来たのは騎兵と歩兵の混戦部隊。グラスホッパー種とアント種、そしてワスプ種――軽騎兵、ローチ種に戦車、ロール種、及び巨大種は無し。

 威力偵察では無く、索敵攻撃を行う部隊だろう。

 物陰に隠れて、或いは僕の様にギリ―スーツを纏っていることから我が中隊は未だ見つかっていない。このまま先手を取ろう。その場合、まぁ、初撃を任せられるのは僕だ。

 先ずは見つけた中で一番端に居る二匹の指揮官を殺そう。

 次は、騒ぎが広がり切る前に中央の指揮官だ。

 三発撃って三匹殺せスリーショット・スリーキル

 僕へのオーダーはそんな所だろう。


「……」


 乾いた唇を舐めた。

 引き金に掛かった指は緊張で硬くなることは無く、柔らかく、羽の様だ。

 きぃ、と軋んだのはスコープを覗く右の瞳孔か、身に纏ったハウンドモデルか。

 待つ。

 僕はスマイルからの指令ゴーを待った。だが、そんな僕よりも先に動くものがあった。肉壁の皆様だ。十五人位居る。そう言えば雇っていた――と、言うか押し付けられていたな。そんなことを今更ながら思い出した。

 肉壁をちゃんと上手く使える指揮官も居る。

 だが、残念。

 僕等のスマイル中隊長はそうでは無かった様だ。

「うぉぉぉぉぉぉぉ!」とか「やってやるッ! やってやるぞっ! やってやるって言ってんだろうがぁあぁぁぁあ!」とかの雄叫びが聞こえる。肉壁の皆様は元気そうだ。隠れていた利が完全になくなった。モノズの随伴も無く、自分の本来の兵種も無視されて全員重歩兵装備を付けられた肉壁さん達は大楯を構えて全員でシールドバッシュをするつもりの様だ。


「ハウンドから、スマイル、どうしま――」

『お、意外だな、一番先にギブアップがハウンドかよ。だぁ~ぃじょうぶ! 大丈夫! お前らの頼りになるスマイルおじさんを信じろ。……アレが死んだら作戦開始だ。初手はお前だ、ハウンド。強襲とも呼べないがそれでも不意打ちのチャージだ。ソレをやり過ごした後の一息を狙え』

「――了解」


 言いながら、ハンドサイン。揃えた二本の指を敵に向けてゆっくり上げる。戦闘用意。その指示を受けて、モノズとルドが、少し、ぴりり、とした。

 肉壁連中も役に立つ。

 それが分かった。

 現場の指揮をとっているのがアント種のアーマーアントソルジャーだからだろうか? どうもグラスホッパーの制御が上手く行っていないようだ。大楯を構えて突っ込む肉壁さん達に全グラスホッパーが突っ込んで行った。地面を足で掴み、踏ん張って居ればムカデの補助もあり、生き残ったかもしれないが「うぁー」とか「どりゃぁぁ」とか言いながら走っている状況では拮抗すらしない。グラスホッパーは十五人位居た肉壁さん達を無数の肉塊へと変えた。

 歩兵と騎兵がばらけた。

 有り難いことだ。


「――」


 引き金を引く/殺す。引き金を引く/殺す。引き金を引いた/殺した。

 三発で三匹。

 そのまま事前にマークしていた指揮官から撃って行く。二発。弾倉を換えて三発。それで事前に見つけていた八匹。混乱に陥るインセクトゥム達。落ち着きを取り戻している場所がある。盾を持ったアーマーアントが集まっている場所が――二か所。あっぁ、居たな。追加で二。盾を構え得てはいるが、隙間がある。あるなら撃てる。見えるのだから、通っている。

 盾と盾の間を抜く精密狙撃シャープ・スナイプ

 距離が近いこともあり、綺麗に頭を吹き飛ばした。

 個別に通信機が持てないと言う今の現状、これで軍隊としての行動は封じた。コクーン持ちが本部から情報を貰っても、広げられない。インセクトゥム達はこれで軍では無くなった。

 個が出てくる。突撃して来る者も居るだろう。逃げようとするものも出るだろう。

 幾分かやり易くなっただろう。


「指揮官、クリア。続いて援護に入ります」

『スマイル、了解だ。足の遅いハイボールのフォローを頼むぞ』

「了解」







 一回目の戦闘では肉壁が全滅と言う被害がでた。

 二回目の戦闘は被害がでなかった。

 三回目は夜襲を受けた。

 そんな分けで、四回目は少し疲労がたまって居た。

 その疲労が抜けきる前に、五回目に備えて後退を開始した。

 守りやすい場所があったことも在り、別の中隊二つで道を完全に塞ぎ、ツリークリスタル群生地の獣道のような場所にインセクトゥム達を誘導することになった。

 所々にグッドマンがトラップを仕掛けながら進む。

 こう言う道が限定された状況だと、僕は仕事がやり易くもあり、やり難くもある。

 死角を造れそうな障害物が多いので、撃ち難い。だが、誘導してあるので撃ち易い。使われたら嫌な死角に僕も簡単なトラップを仕掛ける。建材をクッションの様にして吹き付け、そこに肌を焼く系統の薬品を染み込ませておく。隠れると痛い。ムカデと言う痛覚が無い外殻を纏う僕等には通用しないが、トゥースやインセクトゥムには有効な嫌がらせだ。短時間で造れるのが強みなので、適当に仕掛ける。


「仕掛けに余念がないな、ハウンド?」

「君の活躍で出番が無くなることを祈りながらですけどね、ハイボール」


 狭い通路での戦闘なら火炎放射器フレイムスロアー持ちのハイボールの独壇場だろう。


「その通りと言いたい所だが、俺は暫くは出番なしさ」

「? あぁ、成程」


 少し考えたが、直ぐに納得した。

 二部隊で塞いだ道は何れ物量で押されて突破される。

 ソレは決定事項だ。

 だが、その前に試される迂回路がここだ。余りにも早く『使えない』ことがバレても面白くない。


「そんな分けで、だ。ハウンド。その罠作成は俺が引き継ごう。お前もハロウィンと一緒に休んでろ」


 びっ、親指で背後を指し示すハイボール。そこではモノクの上で丸くなったハロウィンが居た。かぼちゃ色のムカデも脱いで、完全休息だ。


「……では、お言葉に甘えて」


 頭部装甲を外す。

 汗臭い。シャワー浴びたい。ニキビが出来ていた。








 五回目の戦闘で、グラスホッパーの進化系を見た。これまでの大型化、装甲強化から路線を変えての軽量化、速度強化。スマートに、人型に、削られる様にして生まれたバッタ人間は時代が違えば正義の味方に見えたかもしれない。

 そんな彼等もハイボールが吐き出した火に呑まれ、死んでいった。その攻撃の後、撤退する敵軍を辰号の極太レーザーで追い打ちをかけた。限定された通路だと辰号は頼りになる。

 六回目の戦闘は、開けた場所で他部隊と合同の塹壕戦だ。これ以上、下がる時は、組織的な行動が出来なくなる時だとのことで、その後は小隊規模でのゲリラ戦へと移ることになる。何とかここで踏ん張りたい。リミットまで――残り、一週間。「……」。キツイな。そんなことを考え、骨のネックレスを握った。

 食料が乏しい。弾薬が乏しい。補給部隊が二つ、潰れたのが原因だ。

 戦闘が開始された。


「……」


 どうも僕等スマイル中隊が狙われているようだ。「名を売り過ぎたかな?」と言うのがスマイル中隊長の弁だ。嬉しくない。だが、コレはコレで使える。僕等は少し突出して敵を集めながら戦うことになった。

 こういう時、スナイパーは少し楽だ。

 最前線には行かなくても良い。


「丑号、ヘルハウンドを搭載。未号、申号、組み立てを頼む」


 陣地を構えての戦いなら、動きが鈍くなるヘルハウンドも使えるだろう。

 焼夷徹甲弾を装填する。

 これだけの規模での闘いだと、指揮官は前には出てこない。

 その低伸性から遠くまで届く五十口径弾で狙うのは奥。若干の改良が為され、防御力が上がった巨大蟻、タンクアントのデカい尻だ。

 撃ち抜けば敵後方がパニックに陥った。消化部隊は居ないようだ。何たる未熟。遠慮なくその未熟さを使わせて貰う。同じことを繰り返した。


 時間が経つ。


 戦場にタンクアントを見掛けなくなった。


 時間が経つ。


 ハロウィンの右腕と右足が吹き飛んだ。治療もそこそこに、それでも働かされる様子は恐怖でしかない。右手と右足が空っぽのまま、ムカデで外から動かしている。

 だが、流石に前線に立つのは無理だ。別部隊から補充が来た。我らスマイル中隊はブラック企業の中のブラック部署と化している気がする。


 時間が経つ。


 三日が経過した。敵の攻め方はワンパターンだが、物量で押してきている。仲間の死体をバリケードに、じわじわ進む様は恐怖が強い。だが、現場での指揮を取っている――と言うか、まとめている連中が分かりやすくなった。

 狙撃対策なのだろう。スモークが焚かれた。

 だが、大丈夫だ。


 位置報告:タリホーである件

「助かるよ」


 危険を承知で夜の間に、残骸と死体に紛れる様にして巳号を潜ませておいた甲斐があった。

 僕は僕のモノでは無い視界を得た。

 障害物越しに、煙の先を――撃ち抜く。


 時間が経つ。


 巳号の信号がロストした。

 見つかったのだろう。ヤバく成ったら核だけは脱出するように言っておいたが――この戦場から巳号の核を探すのは無理だ。


「……」


 悲しむ資格は僕には無い。


 時間が経つ。


 時間の経過は補給が無い僕等にとっては残酷だ。じわじわ、じりじり、首に迫る死神の鎌の様だ。伍式よりも構造が複雑なヘルハウンドが壊れた。

 整備が不十分なまま、時間を稼ぐために飛び出させた寅号と、その寅号を助けに行った亥号が戻らない。十二が九に。もう耐えられる消耗ラインを超えている。ここからは『早い』だろう。


「逃げるなら、今の内ですよ?」

 回答:ファックオフ!


 つまりは状況継続ロックンロール。そう言うことだ。


「悪いな、とか、すまない、は違うと思うので――ありがとう」


 歪んだ様な笑顔でそう言った。

 ――六日目に、ソレは来た。






 この頃にはスマイル中隊だけではどうにもならなくなり、戦線はある程度一定に収まっていた。互いが互いをフォロー出来るのでで、他の隊は兎も角、僕等スマイル中隊にとっては少しだけ楽になって居た。

 最初は地震だと思った。

 地面を突き破る巨大ミミズを見ても理解が追いつかなかった。

 ミミズが食い破られ、その腹から大量のインセクトゥムが湧き出るのを見て、「――あぁ、」と声が出た。

 地面を通しての大部隊輸送。

 アーマーアントが居る。ソルジャーも、グラスホッパーも、ローチも、ワスプも、そして、アーマーロールや、タンクアントの様な大型も居る。

 拮抗していた戦線が一気に傾く。ぐらり。そんな音が聞こえた気がした。隣の兵士が狙撃銃を落とした。

 気持ちは分かる。

 コレは、まぁ、控え目に言って――無理だろう。

 伍式を捨て、頭部装甲を脱ぎ、拳銃を咥えて引き金を引く。

 そんな甘美な未来が頭を過った。

 バツン、と言う音がして、隣の奴がソレを選んだ。

 その死体に、駆け寄る、モノズを見て――


「ッ!」


 口の中の肉を噛み切った。「ぷっ」、と肉と血を吐き捨てる。馬鹿か。僕は。やることはある。やれることはある。未だだ。未だ、粘れ。仲間を、人間を殺してでも、勝て、勝て、勝て、諦めるな。

 だって人間の戦いに巻き込んだ友がいる。球体だったり、四足歩行だったり、そんな奴等だ。巻き込んで置いて、早々に諦めてこの世から撤退なんて……許されるわけが無い。


「ハウンドからスマイル。急いで前線の連中を下げて下さい。タンクアントを撃ちます」

『味方を巻き込むぞ? 何てのは、分かっているよな、お前なら。……撃て、ハウンド。だがな、勘違いするなお前は俺の命令で引き金を引いたんだ』

「ありがとう、スマイル」


 言いながらも、撃つ。装甲が強化され、抜けない。知っている。分かっている。ぎぃ、と軋む。心が。目が。頭の奥が。彼我の距離は千。為すのは絶技、或いは大道芸。ワンホール・ショット。

 一が駄目なら、二。二が駄目なら、三。

 五発ワンクリップ。叩き込む。それでも抜けない。僕に気が付いたワスプが遠距離から一斉掃射してきた。良い。無視をする。身体に当たった。ムカデを突き破り、針が刺さる。良い。肩に当たる。「……」。伍式の保持がキツイ。だが、良い。未だ当てられる。

 僕はそう言う種類のイキモノだ。

 僕の行動を見ていた味方が動いた。彼は焼夷徹甲弾が打てたのだろう。大口径ならでは轟音と共に燃える弾丸が尻タンクアントに叩き込まれた。

 僕は、少し、安心した。

 大変申し訳ないが、これで味方殺しをやらずに済んだと安堵した。

 してしまった。

 最悪で、最低だ。

 だが、僕は最低最悪のクソ野郎に成らずに済んだ。

 無事だった。

 タンクアントは無事だった。更に、進化したのか。


「――」


 言葉が出なかった。それでも手は伍式の弾丸を入れ替え、アキトが造ったAPCR、硬芯徹甲弾を装弾した。


「――、――」


 息を、吸って、吐いた。

 連続超精密狙撃ラピッド・ワンホール

 極限の集中力が、積み上げた経験が、手持ちの才能が僕にそれを許した。

 それでも抜けない。ならば、撃て、撃て、撃て。手が動く。弾を装填し、レバーを煽る。

 スモークが、焚かれた。


「……っ、」


 そうか。そうなるか。適当に撃つ。奇跡に掛ける。経験に託す。神に祈る。

 この状況でも、脳の残像を使ってアントの頭を吹き飛ばすことは出来る。だが、ワンホールショットは無理だ。


「届かないか……」


 僕の呟き。

 多分、無線に乗った。

 誰もソレに言い返さなかった。誰もが既に諦めていた。

 だから、そう、だから――僕は本物のヒーローに、出会った。






『俺の出番の様だな、ハァ~ウンド?』


 ハイボール。団子鼻の大男。

 彼の場違いな声が響く。

 彼はすぐに見つかった。もう、動いていない。

 彼のモノズ二機が必死に彼を守っていた。周囲に友軍は居ない。既に『終わって』いる。だが、まるで最後の希望の様に二機のモノズが彼を守っていた。残り二十九機は見当たらない。どうしたのだろう?


『ハウンド、徹甲弾はあるか?』

「……あります、が?」

『そうか。あるか。……ところでよぉ、俺の寝てる場所、どう思う? タンクアントから近い良い位置だと思わねぇか?』

「……」


 咄嗟、僕はハイボール以外の通信を切った。


『お前のソレで俺の燃料タンクを撃ったら、どうなるかなぁ? 蟲共に見せてやりたいよなぁ?』

「……それは、とても素敵ですね」

『だろぅ? ――っと、簡単には抜けない様にしてあるからな、チューブとの接続部分、そこを狙え。三発、同じ場所に叩き込んでくれや』

「要求が、キツイな……ハイボール」

『ははっ! だからお前に頼むんだよ、ハウンド。――お前の手を汚させるのは悪いんだけどよ、周囲に味方は居ないし、モノズ達は絶対に嫌だと言いやがるし……なぁ、お前ならそこからでも出来るだろう?』

「できます」


 勤めて。冷静に、僕は言葉を返した。


『上ッ等! ドカンとでっかくやってくれや!』

「はい」


 返事をする。引き金を引く。


『あ~やべぇな。怖い。コレ怖いぞ、ハウンド。死ぬのは怖いぞ、ハウンド。何か話してないとおかしく成りそうだ。あ、そうだ! 核! 俺のモノズ達の核、回収してくれよ、ハウンド』

「容易い要望だよ、ハイボール。他には?」


 引き金を、引く。


『他? 他は、そうだな、多分、俺は合同墓地行きだろうからよ、そこに毎年ハイボールを備えてくれや』

「……つまみも、つけるさ……」


 引き金を――


『そんなもんかな。うん、そんなもんだ。はは、思ったよりも言うことねぇな。――ハウンド、後は頼ん――』


 ――引いた。

 爆音と共にハイボールが終わる。タンクアントが終わる。戦線が火に呑まれる。巻き込まれて味方が死ぬ。それでも、この瞬間――立て直す時間が出来た。


「ここから先はゲリラ戦だ。行こう」


 子号と、卯号と、戌号に、ルド。

 三機と一匹が僕に続いて歩き出す。通信を回復させる。即座にスマイルから通信。


『――状況を報告しろ、ハウンド』

「被害甚大、されど戦意に陰りは無し――」


 つまりは――


作戦続行可能ロックンロール・ネバーダイだ。僕は死んでもハイボールとの約束を果たすぞ、スマイル」

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