第281話 皇帝健太と戦士カーン(3)

 彼は対峙しているカーンに対して余所見──、だけならばいいのだが?


 己の容姿ごとウォンとアイカの玉座へと向けている状態だから。


〈ダダダ──〉


「貴様~。何処を向いている~。貴様の相手はウォンではなく~。俺の筈だぁあああ~。このクソガキがぁあああ~1」


 カーンは駆け足──。勢いに乗ったままの状態で、余所見をしている健太の頭部──。耳の位置へと、己が強く握っている鉄拳のような拳を振り下ろす──。


 と、言うよりも?


 これはカーンの握り拳による打撃だな。先ず間違えなしに。


 それを健太は無防備で食らうのだよ。


 と、なれば? 健太の少女のような華奢な肢体(からだ)など。『ガン!』と、良い打撃音──。


 そして健太の。


「うわぁあああ~」と。


 声を大にした叫びと共に、彼の華奢な肢体がボロ布のように飛んでいくのだ。

 でッ、空中を少しばかり浮遊して舞えば。


〈ド~ン!〉


 の衝撃音と共に、健太の肢体が地面へと横たわる。


 それも? まるで狙いを定めたように、此の国の女王アイカと領主であるウォンの目の前へと健太は無残な姿で『ド~ン!』と、大きく鈍い音を立て落下したのだ。



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僕の嫁はオークの酋長!(僕はジャングル王になる! なるのだ!) かず斉入道 @kyukon

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