悪魔と契約しました。
@CrimeBel
第1話 出会い
母さん。お元気ですか?自分は最近この手紙を書くことをめんどくさがっていましたが今日からは週1で手紙を書こうと思います。
母さん。簡単に言います。父さんが死んで僕は悪魔と契約しました。
何を言ってるか分からないと思いますがその話は追々していこうと思います。
では母さん。短いですがまた来週。
あなたの最愛の息子より
手紙を折りたたみ墓の前に置く。もう母さんが死んでから13年はたつ。
親父はこの前事故で死んだ。
飛行機は事故の可能性が少ないからっていつも言ってた親父だがそんな少ない可能性に殺されてしまっては意味がない。
俺には引き取ってくれる親戚も止めてくれる友人もいない。
1人。そう俺は本当の意味で1人だった。そう。数日前にあんなことが起きるまでは・・・。
2023/12/2 仙台駅近辺 18:40
俺、
東北の冬は寒い。だが雪があまり降らない分、太平洋側は有難いものである。
飛行機事故の合同葬儀を終え外へ出てみるともうすっかり暗くなっている。
親父の仕事は・・俗に「ハンター」と呼ばれるものだった。
勿論ジビエとか、はたまたトレジャーハンターなんてものじゃない。
戦う相手は・・・化物どもだ。
今から・・数十年前、人類は化物どもとファーストコンタクトを取った。
別に俺は専門家じゃない。詳しいことは良く分からないが、少なくとも1930~50年代には確認されていたらしい。
(まぁ、少なくとも俺は親父とは違う。別に危険な冒険とか異世界の秘宝だとかに興味はない。)
そう思いながら歩く。実際、奴ら・・・良く、
行き来の方法は1つ。「ゲート」と呼ばれるワープホールを通り、異世界に行くのだ。ゲートは世界に12か所、日本には網走と仙台の二か所にある。
親父は良く網走ゲートから異世界に行っていた。仙台ゲートは使用人数が多すぎて嫌だと言う。親父は・・そうだな。マグロ漁船みたいなものだった。帰ってくるのは年1か2回。今回は新千歳からの便での事故だった。
葬儀場から1キロほど歩いた先、駅で電車に乗り俺の・・・正確に言えば親父の同業の友人である竹本氏の家への帰路に就く。
電車を降り自動改札機を通り、歩き出す。親父が死んでもう2週間は立っている。
この帰路にもいい加減慣れたものだ。
十数分歩くと広がるのは田んぼと電柱についているライトのみ。時計を見るともう夜の9時を指していた。
もう竹本氏は夕飯を食べているだろう。
顔を上げると月が見えた。大きな満月だ。
(・・・ん?)
俺は月に違和感を感じた。おかしい。昨日は・・三日月だったはずだ。
雲が流れ、いったん月を隠す。そして再び現れた時、月は異様な姿になった。
「月が・・・・赤い?」
ぼんやりと赤い光を発する月に1つの影が映る。
その影はどんどん大きくなり、こちらに近づいてくる。
「何だ・・あれ、UFOとか・・・か?」
動けなかった。まるで蛇に睨まれたカエルのように。
次の瞬間。その影は俺はその影に押し倒された。
2023/12/2 某町道 21:03
「フ・・フフ・・アハハハハッ!実に愉快だ。これほどまでの適合者を見つけるとはなぁ。」
ゴシック・アンド・ロリータ。そう呼ばれる衣装に身を包んだ彼女は男に乗りそう言った。
「お前、なんなんだよッ!」
「おや・・・、これで失神しない人間がいるとはな・・・ますます気に入った。」
よいしょと声に出し馬乗り状態を解く。
「我は
彼女は高らかに名乗る。
それが・・後にまで語られる最強のペアの出会いだった・・・。
悪魔と契約しました。 @CrimeBel
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