第9話 私のパワースポット?

※パワースポット:荒俣宏氏によると 「大地の力(気)がみなぎる場所」


子供達が 冬休みです。


映画会社に貢献する・・・もとい、楽しい映画がたくさん上映される時期となりました。


「映画館に行く」


それは、自分1人なら 何の苦もなく速やかに達成できるのに、


子供と一緒となった途端


お約束のように起こる大小の事件(例:朝食を食べたくない事件・着たい服がない事件・車に乗り込むも、トイレに行きたくなる事件・歩きたくない事件・映画館でもっとジュースを飲ませろ事件・・・)


を解決したり、しなかったりして

倍の時間と労力を費やした上に ようやく達成できるものに変化するのです。


そんなことで、ようよう席に辿りつき 暗くなって スクリーンにくぎづけの我が子の横顔を確認。


やれやれ。


暗く、適温の室内。


身体を包み込むような座席。


大音量?そんなもの、子供の夜泣きに比べれば、小鳥のさえずり。


あぁ、いい気持ち。


そして、ほどなく私の意識が途切れます。


途中、


トイレに行きたい。


怖いから抱っこして。


飲み物をこぼした。


玩具を落とした。


面白い場面で、何故に寝ているのだ!?


などで起こされつつも、最終的に意識が戻るのは エンドロールが流れるころ。


エンドロールが流れる中「お母さん!起きて!起きて!」と叫ぶ我が子。


”あぁ、そんなに叫んでくれるな。恥ずかしや~” と、目覚めたものの、


まだ エンドロールが続きそうだと確認すると、恥ずかしさより眠気が優先。再び、瞼が閉じてしまいます。


このような行為が失礼であると、重々 承知しております。


この映画の上映は、関係者の血と汗と涙の結晶であろう。


楽しみに鑑賞に来た方にも、申し訳ない。


1800円払って、昼寝?お前は どこのセレブだ?デヴィ婦人か?叶姉妹か?


多々 ご批判はあると分かっておりますが、泣く子と地頭と眠気?には勝てない と、昔の人も 言っていた気がします。


なにより、ここで英気を養ったお蔭で 往路同様に 通常の倍の時間と労力がかかる復路を乗り越え、その先の 洗濯物取り込み・夕食・風呂・就寝というゴールに辿りつけようというものです。


なので、映画館は 大地の力がみなぎり、私の力をもみなぎらせてくれる パワースポットなのであります。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

高齢出産で三段腹で3人の子育てしています たけおみつる @takeomituru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ