このお話は、女子高生茜のもとに、一見金髪ヤンキーな家政夫・崇がやって来るところからはじまります。
茜の母すでに他界しており、ただ一人の肉親の父は仕事が忙しく不在気味。
そんな中で自分は愛されていないと感じながら生活している茜。
そこに、崇がもたらしたものは、『料理』。
ただ、提供するだけではなく、作り方や食材選びから彼は茜に教えます。
……想像してみて下さい。
家事万能。容姿抜群。
そんな男子がキッチンでつきっきりで教えてくれるわけですよ(あくまで料理を)。
身近に香りを感じるほど近くで、教えてくれるんですよっ(料理を)。
こんなシチュエーション、美味しすぎるでしょう!!
そんな『料理』にまつわるエピソードを中心にストーリーは進むのですが。
タイトルの『ヒトツボシ』。
これは、料理に関わることではありません。
茜にとって大切なこのキーワードを。
是非、拝読して感じてみて下さい。
母に先立たれた父子家庭の女子高生、茜。
家事は家政婦さんに全て任せきりで、茜と、仕事で多忙な父との間には溝があった。
いつもの家政婦の代理でやってきたのは、なんと若い男の子の"家政夫"崇。異性ということと、金髪頭に茜は戸惑いつつも、「人手不足だから二週間くらい我慢してくれ」と言われ、結局従うことに。
でも思ったより彼の仕事はまじめだし、腕も確かで、さらには片手間に料理まで教えてくれるので、見直していく茜。
長い年月抱えていた父との家庭問題についても、崇が介入することにより大きく前進していく。
問題を放置してきた父も茜も、二人とも子供のように不器用で、考え方や行動が稚拙なところもあり、読んでいて時にはいらいらすることもあったけれど、
さすがにここまで放置し続けて凝り固まってしまった関係を解きほぐすのは並大抵の努力ではうまくいかないだろうし、
崇や友人の助けを借りながらも、必死に向き合っていく等身大の姿には感動したし応援したくなりました。
しかも、助けてくれる周りに恵まれたことを当然とするのではなく、「次は自分が返したい」と感謝する姿勢も、温かなものを感じました。
私もこんな男の子に料理を習いたいなー! と何度も思いました^^
この少年との恋物語なんてのもあるのでしょうか?
続編、期待しています!!