第2話トリカブト

毒草として有名なトリカブト

その花言葉は

「あなたは私に死を与えた」


「君の寿命は後長くて1ヶ月なんだ...」

俺は先生にそう宣告された

一応母さんを先に出させて正解だった

「そうですか、このことは母さんには黙っててください」

このことは教えないほうが色々動きやすいだろう

1ヶ月...それだけあれば十分だが入院などになるとめんどくさい

通うのもめんどうだ

「でしたら手術や入院はいいです」

「でもそれでは君は」

別に死ぬのはいい...

だが一々通ってると面倒だ

「いいから薬だけにしてください」

「...そこまで言うならそうしよう」

よし...これで問題なく動ける

「だが条件がある」

は?条件だと?

なんだこの医者...やはり金が欲しいのか?

死ぬのが確定しているのに無駄に治療代などと無駄なことして金をとる

所詮人間はこんなものか...

「症状がさらに悪くなったときは入院してもらうからな」

やっぱり...まだしたくなかったがしょうがない

「ならこちらも条件があります」

カバンからスマホを取り出した

「こっちの条件はこのサイトで後日伝えます」

そう言って自分で作ったチャットサイトの一部を見せた

すると医者は喜んで条件を飲んだ

やはり人間は単純...欲がすべてだ

「では俺はそろそろ帰ります」

そう言って病室を出て学校に向かった

何故学校に向かうかはすぐにわかる


キーンコーンカーンコーン

学校のチャイムが聞こえる

どうやら下校の時間みたいだ

「あいつらはどうせいつもの場所だろうな」

そう言いながら校舎裏に向かう

そう...今から会うのはあの先輩たちだ


やはり居た...

「先輩どうも戻りました」

くっせ...タバコ吸いすぎだろ

「おう...それで病院どうだったんだ?」

どう答えてやろうか少し迷ったがこう言った

「体に特に異常はないそうです...」

先輩たちは安心したらしい

そこで俺は

「とでも言うと思いますか?」

先輩たちはとても驚いている

そうとう大事になるのが怖いらしい

そんなことはお構いなくどんどん言葉を発していく

「手術しないと余命1ヶ月だそうですよ先輩~」

「あ~あ...手術代高いなぁ」

「こうなった原因はだ、れ、で、す、か?」

もちろん手術なんて嘘だ

「お...俺は知らないぞ」

「俺も知らない」

ほら始まった罪の擦り付け合い

最終的には...

「お前が吸わせたんだろお前が何とかしろよ」

はい...誰か一人に押し付ける

やっぱクズいね~

「はぁ?お前らふざけ...」

「うるさい!」

俺は怒鳴り言葉を紡いでいく

「結局先輩方のせいでこうなったんですよ?」

「ふざけないでくださいよ」

「俺はまだ死にたくないですよ」

嘘なきまでして完璧な被害者を演じてみた

「じゃぁ...俺たちどうすれば...」

引っかかった

「手術代払ってくださいよ」

「俺たちそんな金なんて無い...」

「でも?」

お...これは成功かもしれない

「それ以外なら何でもする」

成功

ふふっ...これからが本番だ




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