高校生の記憶

もうこのころになれば自分の事は自分で出来るようになってくる。

バイトも始められて収入も得られる。


高校は自宅から駅まで30分、駅から学校まで1時間。帰宅はだいたい17時頃。


「あぁ。世界が広がったんだ」


そう思えたのも束の間。


始まったのは

GPSでの居場所の定期的な把握。

16時以降の鳴り止まない電話

学校への所在確認の電話(泣きながら)

私の友達への所在確認の電話。


私の自由はどこなのか。

母私が外で何をしてるのか全て把握しておきたかったようだ。私が書いた日記。ノートの切れ端に殴り書きした愚痴。バッグの中身、財布の中身。携帯のメール、電話の履歴。


苦しかった。


もうここまで来ると「信用されてない」これに尽きるしかなかった。

私が連絡を怠れば、他の友達に迷惑がかかる‥そう思うと、息苦しくて仕方なかった。


高校生にもなって親がここまで手を回してるっていうのが恥ずかしくて助けを求める事も家を出ることも出来なかった。


バイトはしていたので、洋服も携帯代も遊ぶお金もご飯代もまかなう事は出来ていた。

家に帰るのは、寝るところと高校の費用を出してもらう為‥


そんな私を母は「反抗期が酷すぎて参る」と周りに泣きながら話していた。もちろん私の言葉は掻き消され母の話すがまま都合の良い話だけで私という存在は出来上がる。

周りから言われる言葉は「お母さんに迷惑かけないの」「素直になりなさい」「もっと感謝しなくちゃね」「大切にしなさい」

私の思う事は言えず、なにもしらない大人達のから言われる言葉がキツかった。辛かったし、しんどかった。そんな環境からも抜け出せずに3年間を食いしばる。


何も聞かずに手を差し出してくれる友達が居てくれ本当に救われてました。


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大きな耳が欲しくて。 ちょこばなな @monkey-banana

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