雪解け
「どうして? どうしてよ?」と、その旧友は、か細い声で
まったく信じがたい表情で、「どうして、あの人を逃がしたの?」と、
真意を読むのは
“あなたにとって、あの人は憎い仇の
そういった思惑が、
「その事? その事で怒ってくれてたんだね?
「うん……。 うん!」
当方の愚案が
何かと義理に堅く、友情に篤い彼女のことだ。
当の
これをひと
「……あのヒト、なんか怖いですね?」
珍奇な物事に触れる
「それが分かるのなら、あなたも中々のものね?」
手短に誉めてやると、彼女はわずかに表情を和らげた後、これをすぐに引き締め、改めて目先に
地獄の川を背に、うらぶれた乙女がぽつねんと
手にした一刀は、引きも切らずに
力を使い果たしたか、それとも持ち主の
どちらせよ、この機に乗じない手はない。
足裏から地中へ
これに目一杯の号令を付し、ひとつ下の階層を、まるまる熱量に置換する。
土台を突き上げるようにして現れた黒炎が、旧友の一身を丸呑みにした。
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