仇に勝るもの
後世にまで名を残す方法は様々にあるが、やはり
例えば
この人物が著名になり得るか
反対に、力量が一しかなくとも、名を売る手腕に誰よりも長じていれば、その人物の勇名は、当人の思いのまま、延々と語り継がれてゆく。
勇名とはすなわち人望だ。
たとえ多少の
「何人まで斬り捨てた?」
「なに?」
「かの男の弟子どもよ。 臨終に際し、何名まで道連れに致したのかと
「言わぬが花よ……」
「ほぉ?」
「
手足の調子に腹の具合、それが多勢に無勢を強いられる場面であれば尚更だ。
「おう、いよいよ集まり来よったわ。 さすがに鼻が利くようで」
老剣士の目線を追うと、凍てつく川の対岸に、壮烈の
その一翼を
「ほほ……」
よくよく耳を澄ますと面白い。
有馬に始まり、大刀無双の
いずれも、かつて
「我らは皆、あの男の血臭に招き寄せられたもの。 この機に乗じ、恥ずかしながら恨みを晴らしたく思う」
「そうか」
世にこれほど
「
「それこそ笑止。 我らは皆、武運に底意地を
「それはまた、なんと
姫の手ずからクルクルと
武門の意地に
「よかろ、掛かってきなされ。 しかし我が鉾は少々手荒ゆえな、覚悟がいるぞ?」
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