第25話鬼娘の御用聞き
冷ややかな色合いをした電灯の下では、古ぼけたテレビが
これが
「いま、誰か訪ねてきたら面倒だよね?」
「ん……」
時刻は夜半を過ぎ、今日と明日の境目が、とっくに
いつでもオープンな施設とは違い、こういった宿屋は、防犯意識の関係上、門限をきちんと設定し、夜の
カウンターには、そこに納まるべき亭主の姿が
すこし
こぢんまりとしたロビーには、私たちが居残るのみだった。
「誰か来たら、ほのちゃんが出てね?」
「あ? なんでよ?」
「人見知りなのよ、こう見えて」
「私だって得意じゃないよ」
これは
近場の玄関ドアに対し、“誰も来るな”と念じ続けたものの、
「邪魔するよ! 誰か居ないかね?」
「………………」
まるで当たり散らすようなノックに続き、騒がしい声が聞こえた。
「えー……?」
どうしようかと思いあまった
仕様がないので、重い腰を持ち上げ、応対に出る。
「はい? どちら様───」
「悪いね? 御用の筋だけど、怪しい二人組を───」
「え?」
「あ?」
ドアを開けると、厳しい表情の鬼娘が立っていた。
とくに鬼刑事や鬼捜査官というのでは無く、
「この……ッ!? このヤロッ!!」
「うわわっ!?」
互いに目を点にして、
これが幸いして、彼女が有無を言わせず繰り出した刃物から、
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