第12話鐘の音の昨日、今日
「なにか言うことはありますか?」と、先方が柔らかな表情で
“慈母の
「特には……」
考えた末に当方が応じると、彼女は満足げに
続けて目元を細め、晴れやかな口調で言う。
「“お久しう御座います”」
「あ……? あぁ、久しぶり?」
言われるままに応じてはみたものの、よくよく考えれば妙である。
彼女と顔を合わせたのは、
その
しばらく振りの挨拶など、
「どうした
「本日もまた、宇彌嬢のもとへ
「今日は
「行かない」
もとい。
自分もまた、手ずからその背中を押した。
「それは
「まさか。 こんな物で
「思ってない? それなら良いのです」
いつしか
気持ちは
彼女は宇彌のことを、まるで実妹のように可愛がり、宇彌もまた、彼女によく
そうすると、彼女にとって当方は、何よりも憎むべき
仕様がない。
いつか、この友の手で、我が身を討たれる日が参ろうとも、自分はそれに甘んじるのみ。
抵抗など断じて出来よう
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