第13話育むもの
こちらの真意を早々に悟ったか、
続けて満面をてきぱきと笑み曲げて、こちらの魂胆に乗じる
普段の
彼女もこういった顔色をすることがあるのかと、妙に感心する一方で、内心がぞっとした。
「ならば、この場で素っ首を打ち落とそうとも、あなたの
「………………」
直情気味の脅し文句に、こくりと頷いて応じる。
すると彼女の表情が、いよいよ増して華やいだ。
まるで粗末な鈴が
「その顔……」
友をここまで追いつめたのは、他ならぬ自分でこそあるが、よくよく考えると、どうにも割に合わない気がした。
ならば、一定の段落で区切りのつく
「お前だったよな? “かくも優れた循環作用が御座います”などと」
「それが?」
もちろん、自分もそれに賛同したのは事実である。
事実であるが、
「愚考でしょう? なにも悪業が、すべて死と結びつくとは限らない」
「けど、ちょっとはマシだったと思わないか? 今よりは、ちょっとだけ」
「思いませんね。 青人草の悪を見て、あなたが鬼を得たのは事実でしょう? 生き死にの問題じゃない」
「冷たい奴だな?」
「なにを今さら」
これ見よがしに息を
「そもそもの話、世界とはまこと狭いようでいて、その
「なに?」
「御覧なさいな。 宇彌嬢が泣いている」
細指の示す先を追うと、
そう言えば、ここは
さだめて広々とした屋敷内のようだけども、彼女がいるという事は、かの世と考えて間違いはないのだろうか。
しかし、
「どうして、彼女をもっと大切にしてあげなかったのです?」
「なんだと?」
すっかり混乱を余儀なくしていたところ、友が厳しい口調で非難を唱え、当の混乱に拍車をかけた。
「
「なにが言いたい?」
“
「それは違うだろう?」
「違う? 違うとな? なにが違うと申される?」
「人間を育むのは俺たちでなく、世界の仕業だ。 人間の仕業だ」
「この期(ご)に及んで尚、責任から逃れるおつもりか?」
「違う」
「なにが違う!?」
友の怒号を間近に聞いて、頭の中心がふっと冷める心持ちを得た。
烈火を見つめると、鼻筋に
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