第2話いらだつ彼女
当地の
それがピタリと操業を終えたのは、ほんの数年前のこと。
当初こそ、何らかの
もともと区域の狭い土地であるから、大循環の本幹が
何より、住民の大半は神様である訳だから、そもそも人間世界の基準に照らし合わせることなど出来る
「まだ
「あたりき」
神妙な態度で
元は工場内に収まっていた重機のようだけども、もはや原型を
「
「知りませんよそんなモン。 襲われれば応戦しなくちゃでしょ?」
「ここまでこっ
「………………」
「誤魔化すなよ」
世間的にはどうにも味気がなく、冷たい印象を及ぼす工業地帯だけども、夜景の美しさがたびたび取り沙汰されることがある。
黒々とした鉄の
これを見物に訪れる人々、もとい神々が一定数いるという事で、工場の火が途絶えた
「明かりが
「もうそんな時間? ちくしょう……」
ポケットを
「ん?」
「ん……」
一つを先方に差し出したところ、彼は首を横に振るう仕草で応じた。
「なにを探している?」と、続けざまにそんな事を
内心を読まれたと
「
「何してん? バカだな?」
「あぁ?」
加減を損なったようで、甘味の向こうに
これを
続けて持ち前の腕っ
「見つかる物も見つからん。 そんな探し方では」と、彼がため息まぎれに差し水をくれた。
「絶対見つける」
「無理だ」
「絶対見つかる」
「無理っ
「この……ッ!」
ただでさえ
終いには堪忍袋がぶつりと鳴って、
「あぶね! なにすんだ!?」
これを
それも
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