みすの君へ

どうしたって避けられないし

それは僕らを捕らえて放さない


眠れない夜を過ごしたって

瑣末な日常に苛まれたって

この頭と腕が動くのだ

作り続けなければいけないと


そうだろう?


コンビニで買えるような

おきまりの惣菜をあれこれ披露し

したり顔しながら酒を啜って

ハートの数をかぞえて陶酔する

それが僕らの仕事でないことは

最初から明らかだった!


僕はここで表明する

僕の心を震わし続ける驚嘆と崇敬の念

きっとどこかで聞いていて欲しい


時にはそうさ僕らには

新鮮で質の高い食材が与えられる

あとは腕を振るうだけだろう?


だから耳を澄ましておくれ

水の流れるところには自ずと川ができる

いつか上手い料理を食いたいものさ

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射矢らた詩集 射矢らた @iruya_rata

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