昏き森のオルディバル

作者 笹野にゃん吉

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★★★ Excellent!!!

あらすじやエピソードタイトルからみえるとおり、とっても重厚なファンタジー作品です。

魔法使いと巨大ロボット、バトル、冒険……誰もが一度は憧れたロマンが、これでもかとばかりに詰まっています。
しかし、それでいて読みやすく、丁寧に作り込まれたストーリーがすんなり頭に入ってくるのです。


作品は群像劇形式で始まります。話が進むにつれ、何人もの主人公たちの作る物語が、ゆっくりと一つの場所へと導かれていきます。
そして最後には、あらゆる人々が同じ場面の中で、それぞれに輝く。ストーリーが綿密だからこそ、それが非常に美しく、読む側の身も奮い立たせられます。


遺物掘りの少年、ヴァニ。
ヴァニの祖父にして英雄、エズ。

死地で日夜巨人と戦う魔法使い、エヴァンとカルティナ。
枢都で暮らす魔法使い、デボラ。

スラムに住まう人殺しの少年、ガゼル。
彼のもとで育った少女、ミラ。

そして、見え隠れする「ログボザ」という教団の影。


海を渡ることもできず、延々と巨人「ヨトゥミリス」の襲撃を受け続ける閉鎖的な地、ミズィガオロス島を舞台にした、終わりなき戦いを描く物語ーー

ではありますが、そこには鬱屈や絶望ばかりではありません。
読者は魔法使いや遺物掘り、ただの貧しい少女まで、さまざまな人々の背中を見守りながら、彼らとともに勝利の尊さや使命の熱さを、焼けるように感じるのです。


とにかく、読んでみればわかります。
からまり合った運命の糸の先が気になって、私は時間を忘れて読みきってしまいました。現実逃避にももってこいです笑

ぜひとも、我々「人族」の命の輝きを目の当たりにしてください!