怖い話って、短編ほど面白いと思うんですよ。個人的に。

気軽に読めるし、短編だから、どこからでも、気が向いたときにも読める。

この小説は、まさにそのとおり。

どこからでも読めますし、どれも、怖い。

洒落怖やほん怖のような話が書けたら、とありましたが
正にその通り。特に初期の頃、長くとも短編程度の話ばかりだった頃の
洒落怖を彷彿とさせます。
安易に霊や死人は出ず、それがまたリアリティを上げています。
日本のホラー特有の、背後でした物音だけで終わるような
じんわりと後に残るような恐怖です。
個人的に良く見るデスゲームや狂殺人鬼が暴れる話は
ホラーではなくスプラッタなので
こういう作品に巡り合えた事はうれしい限りです。

ホラーにありがちな超展開がない、地に足の着いたホラー。
落ち着いた文章がもたらすリアリティ。
貴方の側にも「ちょっとだけ」の恐怖はきっとある。